食中毒が話題になっているので、その原因をまとめてみました。

 

【食中毒の原因】

 

1.「細菌」による食中毒

 

①感染型 ~ サルモネラ菌、腸炎ビブリオ、カンピロバクター等

 

サルモネラ菌         

家畜・ニワトリ、ペット等の腸内に存在。鶏卵が主な原因食品。熱に弱い。

 

腸炎ビブリオ菌

生鮮魚介類等が原因食品。海水を好み、真水や熱に弱い。増殖速度が速い。

 

カンピロバクター

鶏・豚・牛等の腸管内に存在。少量の酸素(5~15%)で増殖。常温の空気中では徐々に死滅。熱や乾燥に弱い。少量の菌で発症。

 

②毒素型

 

[食品内毒素型]

 ~ 黄色ブドウ球菌、ボツリヌス菌、セレウス菌(セレウリド)

 

黄色ブドウ球菌

粘膜や傷口等に広く存在し、化膿菌とも呼ばれる。菌自体は熱に弱いが、増殖する時に生まれる毒素は熱に強い。

 

ボツリヌス菌

嫌気性食品(飯寿司、ソーセージ、ハム等)が原因食品。土壌や河川、海岸等に広く存在。菌自体は熱に強いが、産生される毒素は熱に弱い。毒性が非常に強いが、酸素のあるところでは繁殖しない。潜伏期間が比較的長い。

 

セレウス菌

チャーハン、ピラフ、オムライス、スパゲティ等が原因食品。土壌、水中、ほこり等に芽胞の形で存在。農作物等を広く汚染する。

 

 

[生体内毒素型]

 ~ 腸管出血性大腸菌(O-157)、ウェルシュ菌、セレウス菌(エンテロトキシン)

 

腸管出血性大腸菌(O-157)

飲料水、肉類等が原因食品。たんぱく質(毒素)を出し、感染力が非常に強い。集団中毒を引き起こしやすく、赤痢の症状。真水や熱に弱い。

 

ウエルシュ菌

カレー、シチュー、スープ、グラタン等が原因食品。人や動物の腸管、土壌に存在。集団給食等での発症が多く見られる。

 

2.「自然毒」による食中毒

 

①動物性自然毒 ~ フグ毒(テトロドトキシン)、貝毒(テトラミン)

 

②植物性自然毒 ~ 毒キノコ(アマトキシン)、ジャガイモの芽(ソラニン)、青梅(アミグダリン)、トリカブト(アコニチン)

 

 

3.「ウィルス」による食中毒 

 ~ ノロウィルス、A型肝炎ウィルス、E型肝炎ウィルス等

 

ノロウィルス

生ガキ、ホタテ、アサリ等の二枚貝が原因食品。人のみが感染し、冬季に多発(特に12月~1月)。予防のためには十分な加熱が必要(85~90℃で90秒以上)。

 

4.「化学物質」「カビ」による食中毒

 

①化学物質 ~ 砒素、シアン化合物、メチル水銀、農薬等

 

②カビ菌 ~ マイコトキシン(ピーナッツ等)、ヒスタミン(魚介類)

 

マイコトキシン

 

 

【細菌が増殖する3条件】

 ①「温度」~ 30~40℃が最も増殖しやすい

 ②「湿度」~ 水分を多く含む食品ほど病原菌が増殖しやすい

 ③「栄養素」~ たんぱく質(アミノ酸)、糖質、ビタミン等が必要

 

 

【細菌性食中毒の種類と特徴】

 

食中毒予防の3原則「清潔」「迅速」「加熱」ですので、食品を扱う時は注意しましょう。