「記憶」は、次の3つに分類されます。

 

➀感覚記憶:周囲の状況を知覚するのに十分な時間だけしか持たない記憶

➁短期記憶:現在起きている出来事の記憶

➂長期記憶:以前の出来事の記憶

 

 

「感覚記憶」とはいわゆる五感で感じた一瞬の記憶です。すぐに消えてなくなる記憶です。

 

これに注意を向けることによって記憶されるものが「短期記憶」で、これは「脳」「海馬」と呼ばれる部分に記憶されます。

「海馬」は記憶の一時保管庫です。あくまでも一時保管庫なので、保管できる記憶の量には限りがあります。

 

 

そのため、深い睡眠である「ノンレム睡眠」中に、記憶の「長期保管庫」である「大脳皮質」ゆっくりと移動させているのです。

大脳皮質に移動された記憶は「長期記憶」となり、長く残ります。

 

この「海馬」から「大脳皮質」への「記憶」の移動を行っているため、深い睡眠である「ノンレム睡眠」中も「脳波」に「徐波」(=δ波)が現れるのです。

 

 

「ノンレム睡眠」は、「一時的保管庫」である「海馬」の記憶の容量を空にするという重要な役割を果たしているのです。

 

また、インプットされる記憶を「入力記憶」アウトプットされる記憶を「出力記憶」として分類することもできます。

 

 

「記憶」が「長期保管庫」に乱雑にしまわれていると、これを呼び出したい時に素早く呼び出すことができず、どこにしまい込んだのかわからなくなってしまいます。そこで、人の「脳」は、しまい込んだ「記憶」を呼び出しやすいように整理します。

 

 

 

この「整理」は「レム睡眠」中に行われます。「レム睡眠」中も「覚醒」時と同じように情報の集まる場所は「視床」です。でも、睡眠中は「脳幹」と「視床」の間にバリアが張られているので、外界から情報は入ってきません。日中にすでに外界から「視床」を介して視覚野、運動野、扁桃体に入ってきた情報が再び「視床」に戻ってくるのです。

 

 

 

すなわち、「レム睡眠」中は、日中に見たこと(視覚野)、行ったこと(運動野)、感じたこと(扁桃体)等を、「視床」を介して「脳」のスクリーンに何度も何度も映し出して、「海馬」で「記憶」の整理を行っていると考えられています。

 

 

「夢」を見るのもこの「レム睡眠」中です。

 

 

 

 

 

 

 

 

※「病気にならない新常識」(古川哲史著)から引用しています。

 

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