「古典物理学の時間」は万物に共通で、「同じ質の時間が同じ速度で真っ直ぐに進んで行き、決して後戻りしない直線的な時間」です。
それに対して「生物の時間」は、「心拍の時間」に代表されるように、「繰り返し起こる現象の1回分の時間」です。
「息を吸って吐いての周期」、「寿命という時間の周期」、「世代交代の周期」等で「時間」を捉えています。
「輪廻転生」という考え方は、「時間が回り続ける」と捉える代表的なものでしょう。
「生物の体の中の主要な化学反応」は、全て「回路(サイクル)」をなしています。
「出発点の化学物質」が変化をしながら、再度「元の化学物質」へと戻る回路を形成しているのです。
光合成の中心にあるカルビン回路
タンパク質の分解産物から尿素を作る尿素回路(オルニチン回路)
等々、「くるくる回りながらずっと続いていこうとする」のが「生物」です。
その「回転速度」が「生物の時間」になるのです。
※「人間にとって寿命とは何か」(本川達雄著)から引用しています。