伯州銀山の名前とともに新しくデビューした

鳥取県日南町の旧石見村にそびえる独立峰、大倉山の銀山。

 

石州の世界遺産石見銀山の近くには、2004年瑞穂町、石見町、羽須美村が合併して現在の邑智郡邑南町になった地域があったけれど、奇しくも同じ石見の名を持つ町が鳥取県にもあるのは不思議なことです。

 

因幡の銀山も岩美銀山と称するのは何かの深い縁があるのかも知れません。

 

さて、そんな伯州銀山にまつわる調査が

地質調査所月報、第39巻 第2号、P.81-94、1988に載っている。

 

P.85からP.87に載った(5)大倉鳥取県大倉鉱床(Pb-Zn)

 

    「第5図 鳥取県大倉鉱床付近の地質略図. 土井(1951)に加筆」

 

右上部に大倉山山頂1,112m。その南麓の黄色いマークが第1坑、第2坑。

標高800m辺りで鉱床の最も厚い所と言われるのが「30枚ヒ」。

「小規模鉱床は南西方へ伯備線地並まで散在する」とある。

山神坑、白竜坑と呼ばれている。 赤いマークは露鉱脈。

 

黄色と赤色はワタシが勝手に色づけ加筆しました。

標高600m以下に露頭鉱脈があったことは魅力的ですね。

 

「開発の歴史は古く、その発見は戦国時代にさかのぼり、徳川時代には直轄銀山として稼行されたと伝えられている。」とも記されている。

 

 

1951年の地質学者 土井啓司氏による品位表(第1表)によると、「神岡鉱業所の分析によると、鉱石は著しく鉛に富む特徴を有し、また銀含有量も高い」と評価されている。そしてわずかながら1g/t当たりの金を含むこともあって埋もれた富田城城下町から目を覚ました 切銀 の産地推定に至ったかもしれません。

 

特徴 銀と鉛などのほか微量の金

 

世に生野の銀山、佐渡金山、岩美の銀山、多田銀銅山、対馬銀山など数多の

豊かな銀山を差し置いて誠に有難く存じ候。今日はここまで でわでわ。