その昔、断崖絶壁の隙間に育っていた岩ひば。

百年以上も前の事じゃが、とあるやせ家老の子孫が持って帰って庭に植えておいた。

そのまたご子孫が年をとって庭を今風の石で敷き詰めてしまった。

広い庭の草をとるのがとても辛いことだったからじゃ。しかたがない。

そのとき甚兵衛こそりともらって帰ったひとかけら

親指の先ほどのものが

今 手のひらほどになりもうした。

十年かかりもうした  こっぽり。