先日は十五周年の会@山本能楽堂、沢山のご来場誠にありがとうございました!


今まで周年行事をやろうとするとその都度コロナとかいろんなことがあり…正直なところ今回の15年もまた何かあるのではないかという恐怖もありどうしようか考えておりましたが、あまり突飛な事はせずにじっくりたっぷりほがらかにお届けしたら大丈夫かなとまさにおっかなびっくりでした。


会場は大好きな山本能楽堂。すごく良い気が流れているんです。大阪のど真ん中にある格調高い中にどこか大衆的な…。能との近さを感じさせてくださる会場は飲み仲間の山本麗晃君の紹介で山本章弘先生と女将さんに入れていただいた「伝統芸能ナイト」が縁で数年前より半年に一回独演会をさせていただいております。


そして今回のゲストは文楽のスター竹本織太夫師にお願いしました。

パワーそして華、カリスマ性と古典芸能と現代社会の架け橋でもある師に憧れ、「ああ織さんみたいになりたいなぁ…」とかねてより客席で思っておりました。
浪曲も国立文楽劇場での公演が沢山ある中で、楽屋内でお話する機会はたまにあったので意を決して

隼「連絡先、教えてください!」
織「ええで。」

高校生の恋愛か?というような会話を繰り広げ、連絡先を聞き出す事数年。今回も…

隼「独演会のゲスト、お願い出来ませんか?」
織「ええで。」

二つ返事でお引き受けいただき…。
かっこいい人は話も単純明快だなと思った次第です。

そして三味線は鶴澤清志郎師という本当に豪華な師匠方に華を添えていただきました。
この清志郎師ですが、沢村さくらさんと同じ京都の三味線屋さん(今井さん)に通われてるそうで、双方今井さんから噂を聞いていてはじめての対面!感無量の様子でした。

ミーハーなムードの流れる中で、今回の演目は…。

一、「勧進帳」
一、「義太夫 殿中刃傷の段」
中入
一、「秀吉の報恩」

「勧進帳」は文楽劇場さんのイベント用に作った一本で義太夫、長唄、能、歌舞伎、浪曲と吟味して自分でまとめた、まだまだお恥ずかしい限りですが、今一番勤めている一席。

「秀吉の報恩」は広沢瓢右衛門より松浦四郎若師まで関西浪曲界に脈々と伝わっている王道の一席に身分不相応ながらも挑戦。



そして義太夫は「殿中刃傷の段」をお願いいたしました。浪曲では初代真山一郎十八番「刃傷松の廊下」でお馴染みかと思います。末席に名を連ねる者としても大切な一席。是非義太夫でお願いしたく…ご無理を申し上げました。



三味線芸能の王道•義太夫と浪曲。いろんな方から
「よう共演お願いしたなぁ…負けるなよ(笑)」と言われましたが、本当に吹き飛ばされながら食らいついた1日だったと思います。いつもの七倍くらい体力使いました(笑)。

本当にご縁の万博みたいになった今回。
振り返ってみるとこの15年沢山の方に救われ、助けられて今日があるなと。
最近朝起きますと毎日感謝の時間からスタートするんです。本当に。

関西浪曲界に今なお輝く大師匠•初代真山一郎。
厳しく優しく守ってくださった師•真山誠太郎。
いち子供に芸界のノウハウや仕事を叩き込んでくださった前師匠•二代目真山一郎師ご夫妻。

それから今回のスタッフは十三浪曲寄席の阪田さん、花岡さん、さかいひろこさん。
お客様、スタッフ、芸界諸師、お友達など感謝してもしきれない毎日。

そして
沢村さくらさん。
この方が居るから今の真山隼人がある

•沢村さくらのいない真山隼人=ただの人。
•真山隼人のいない沢村さくら=もう少し売れてるかも。

↑ここが苦しいところですが…。
しかし、二人三脚切磋琢磨して今日まで続けてこられたのは沢村さくらさんの辛抱強さと励まし力と呑気さによるものです。本当に本当に本当にたくさん助けてもらいすぎてなんと御礼を言っていいのか適切な感謝の言葉が思い浮かびません。

全ては大好きな「浪曲」がもたらしてくださった縁だと思っております。本当に15年沢山の応援をありがとうございました。またここからが新たなスタートです。巷説百物語もチエちゃんも反魂香も忠臣蔵もバラエティ豊かにお届けできるよう勤めてまいりますのでどうぞこれからもよろしくお願いいたします。ただひたすら全力でがんばります。



そしてなんと!
織太夫師より義太夫を学べることに事になりました!
本当に嬉しい1日でした。しっかり準備して挑みます!

というのでさっそく床本を入手。
形から入るタイプですみません。