(前回のあらすじ)
かねてより夢と描いていた「南座歌舞伎鑑賞教室」が決まり喜び勇む2025年冬。真山隼人•沢村さくらは松竹座独演会の切符販売で東奔西走していたのであった…。
目の前の仕事を一つ一つこなし一喜一憂の毎日。昨年の冬からいろんな出来事がありました。
•松竹座独演会
•「深夜食堂」浪曲化
•江の島旅行
•沢村さくらさんに弟子が来た
毎月なんとなくイベントがあった中で、気づけば桜咲き誇る春到来、そろそろ段取りをしましょうと集まったのが大阪松竹座の稽古場
↑大好きな劇場ですが、閉館間近にまさかこんな頻繁に来る事になるとは思わなんだ…。
そこで久方ぶりの対面をしたのがこの方、今回の主役の一人•片岡千次郎さん
↑別公演にて。
ご存知上方歌舞伎にはなくてはならない御方。年一の上方歌舞伎若手会「晴の会」では亀屋東斎の名で脚本も書かれるまさにキーマンそしてすごく社交的な方。
実は数年前、共通の知り合いの紹介によってお馴染みではあったのですが共演は今回初めてで、ずっと「共演したいですねぇ」と話していたので今回夢が叶い嬉しい再会を果たしました。
この鑑賞教室では毎回、歌舞伎の解説のほかに歌舞伎とのコラボ企画もあり…。
今年の演目が「正札附根元草摺」といういわば「曽我物語」にまつわるものでした。
しかし縁というのは繋がるもので、先日我が家より別件で曽我物語の浪曲台本を発掘したばかりのところにこの話
↑四代前の師匠•京山華千代の台本ヨリ
「そんな縁があるなら歌舞伎×浪曲で曽我物語をやろう!!!」と
軽く熱くコラボが決まってしまいました(笑)
「心配いりません、いつも通り、節やってもらうだけだと思いますので」という言葉に押されまぁ大丈夫だろうとこちらも楽観主義。深く考えず第一回目の打ち合わせも終わりいつの間にか五月を迎え…。
各々イメージとウォーミングアップを重ねて再び集まった松竹座稽古場にて
千次郎「隼人さん、コラボのところ立ち回りと見得とダンマリも一緒にやりませんか?」
隼人「は?」
千次郎「いや、隼人さん歌舞伎お好きって聞いてたから…どうです?」
この人は一体何を言ってるんだ?
突拍子もない提案に呆然となりながらも内心は「え、そんな事させてもらえるの?しかも南座で?」とニヤケが止まらなくなり、周りに呆れられる始末…。
関東よりいらした成駒屋のお三方、中村芝歌蔵さん、中村橋三郎さん、中村翫延さんも加わり…
千次郎さん監修のもと歌舞伎×浪曲「曽我物語」の稽古開始。
しかし!やっぱり真山隼人は足を引っ張るのであった、従来の不器用さが目立ち迷惑かけまくり…。
隼人「千次郎さん、やっぱりダメかも…。」
千次郎「大丈夫!本番までまだ時間あるからがんばりましょう!」
まるで受験勉強の家庭教師みたいな励ましをいただきながら日夜稽古に励むのでありました(笑)
仲間意識そして芸の発展を夢見られるところが千次郎さんのいいところなんだろうなと。客席からも常々思っておりましたが今回特に思った次第です。本当に熱く未来を見てらっしゃる。今回何度助けていただいたことか。
関東からいらした成駒屋さんお三方も「なんだコイツは」と当初思われただろうな…と反省ばかり。
下ではまさに松竹座ラスト歌舞伎公演
上では南座鑑賞教室の「曽我物語」稽古。
時折聞こえて来る舞台の音にも聞き耳を立てながら我が素人芝居に呆然となりながら…。
まさに歴史の1ページに立たせていただき、ありがたいやら恥ずかしいやら切ないやらいろんな思いが入り混じる五月初旬でした。
もう最後だからと色々お連れいただき…。
↑屋上より。「晴の会」会場でもある近鉄百貨店、あべのハルカスも!
本当に貴重な経験をさせていただいたと思っております。
いざこの上はなんとしても良き公演にしたい!
大好きな歌舞伎のお手伝いをしたい!
と今回たてた目標は
一、浪曲の事は必要最小限に抑える。
一、自分が出過ぎない(これ難関)
一、脱線しない
と。あくまでも歌舞伎公演にお邪魔している身として迷惑だけはかけまいと大きな体を小さく折りたたみ挑もうと決意を固めるのでありました。(続)
※すみません、次回は吉太朗さん當史弥さんも登場しますので今しばらくお待ちください、、、




