今から50年以上前、つまり合成界面活性剤が化粧品に導入されていなかった時代には、シミができるのは50歳以上で60歳前後からともいわれていました。それが今やはっきりと、若い世代の悩みになってしまいました。
では、シミはどのようにしてできるのでしょうか?
シミはよく知られているように、メラニン色素と切っても切れない関係にあります。メラニン色素は、紫外線によって細胞の正常な活動が妨げられそうになったときに、紫外線の影響を抑制しようとして沈着する顆粒です。つまり、これによって発ガン性物質や変異原性物質が発生するのを防いでいるのです。
もう一つは、皮脂分泌が衰える年齢になってくると、表皮母細胞も衰えてきます。ですから、紫外線があたるとますます弱くなって娘細胞が生めなくなってきます。つまり、新しい表皮を生めないところが部分的にでてくるわけで、その部分を補強するために硬いメラニン色素の顆粒で固めるようになるわけです。
これが色素沈着、すなわちシミなのです。
「美容のためには紫外線をカット!」と、それこそ耳にタコができるほど叫ばれているのは、まさに表皮の母細胞(基底細胞)が壊れてメラニン色素の沈着を防止するためにほかなりません。
ですから健康な肌であれば、
メラニン色素がそのままシミになってしまうことはありません。
健康な表皮であれば、メラノサイトで合成されたメラニン色素の顆粒は母細胞のあたりから上へ上へと移動してゆき、やがてはアカとともにはがれ落ちてしまいます。
しかし表皮が不健康な場合、表皮を補強するためにいわばセメントで道路を固めるように、メラニン色素を作って固めてしまうのです。
このようなシミの場合、アカとなって剥がれ落ちることはありません。これが一般にみなさんが悩んでいるシミの正体です。
このブログをお読み頂いている方々のほとんどが、合成界面活性剤や合成ポリマー入りの化粧品を使い、誤ったメイク法をしていると思います。つまり不健康な表皮をしているのではないでしょうか?
「外因性のシミと内因性のシミ」
一口にシミといっても、これには内因性のシミと外因性のシミと2種類あります。
内因性のシミとは、身体内部に原因があってできるシミのことです。
偏食や夜更かしによる睡眠不足、あるいは病気や老化などによって不健康になり、そのために食べた栄養から得る代謝エネルギーが低下すると、身体は皮膚よりもっと重要な生命活動に直接かかわる組織にエネルギーを供給しようとします。すると当然のことですが、皮膚にまわってくるエネルギーの量は少なくなってしまいます。結果として表皮の生産力も低下しますから、いつまでも古い細胞が居残ることになります。
つまり、新陳代謝が行われない為に、表皮部分がいつ崩壊するか分からないような、一触即発の緊張状態が続いてしまうのです。その一触触発を防ぐ為に働くのがメラニン色素です。
メラニン色素という硬いセメントのようなものによって、弱っている部分を補強しようとする結果、シミができてしまうのです。
このようにできてしまったシミを、色素沈着とか肝斑(かんはん)と呼びます。
また内因性の原因によってできるシミですから、仮に削除する手術をしても内因をとり去らないかぎり、数ヶ月から1、2年くらいの間に再発してしまうのが普通です。
もう一方の外因性のシミとは、肌につける化粧品や薬品などによってできるシミのことで、外傷性肝斑と呼ばれたり、最近では色素沈着化粧品皮膚炎などとよばれるものも増えています。
いずれにしてもシミができる原因は複合的であり、主な要因となるものも個人差があると思いますが、およそは次のようなことが原因になると考えておけばいいとおもいます。
1.遺伝的・体質的に皮脂分泌が過小
2.食生活が乱れている
3.睡眠不足が続いている
4.エアコンなどの影響もあって、生活環境が皮脂の分泌を低下させてしまっている
5.化粧品に含まれている合成界面活性剤によって、皮膚のバリアゾーンが破壊されている
6.間違った洗顔法をとっている
角質とその内側の顆粒細胞などによって形成されている皮膚のバリアゾーンが弱くなると、化粧品や薬効成分などの異物が皮膚の内部に侵入し、母細胞に害を及ぼすことになります。そんなときにも、皮膚組織はメラニンを出して、異物によるダメージを受けるのを防ごうとするのです。
皮肉な話しだと思いませんか?結局のところ、シミは、私たちの身体組織が自らを守ろうとする防御反応の結果だったのです。
「予防と対策」
こんなにもやっかいで、やっかいなだけに悩みの種になるシミですが、ちょっとした注意さえ怠らなければ、かなり的確に予防することができるものです。
ポイントは、次の4点です。
1.急に乾燥肌になったときは要注意
2.乾燥して肌に張がなくなったら要注意
3.肌の透明感がなくなり、黒ずんできたらさらに注意
4.石鹸で洗顔した後、化粧水やアルコール水溶液をつけてヒリヒリするようなら、最大に注意
これらの予兆があったら、ただちに化粧品の使用を中止して下さい。そして以下のことを実行して下さい。
1.朝晩2回、ぬるま湯で優しく(こすらない)洗顔をして下さい。あなたの皮膚を回復させるものは、あなた自身の皮膚から分泌される「皮脂」だということを、まず認識して下さい。皮脂を溜めるようなつもりで洗顔します。
2.緑茶(出来れば、柿の葉茶)のだし汁をはたきます。1日何回はたいても結構です。手に入るなら、合成界面活性剤を使用していない弱酸性化粧水でも構いません。しみる場合は、しみない程度まで、薄めて使用します。
1ヶ月もかからないとおもいますが、2~3週間は、このやり方で我慢するのが安全です。こうして皮膚組織の健康が回復するのを、ジッと待たなければいけません。
お仕事などで、どうしても化粧が必要な場合は、水白粉(リキッドファンデーション)だけで我慢するようにして下さい。もちろん、合成界面活性剤を使用していないものです。
大事なのは決してあせらないことです。神経質にならずに、じっくりと辛抱強く、肌の回復を待つことです。
こうして待って、2~3週間くらいしたら、試しに化粧品をつけてみて下さい。つけてみてヒリヒリしないようなら、皮膚組織が回復してくれた証拠です。
そして今度こそ、安全な化粧品を選んで下さい。
ここで特に強調しておかなければならないのは、「シミがすぐにとれる!」などと宣伝しているクリームなどを絶対に使ってはいけないということです。「シミがとれる、肌を白くする」などという言葉は無責任な宣伝文句にしかすぎません。
「肌を白くする」とうたう製品は、薬効があるがごとく主張しているのですから、正確にいえば化粧品ではなく医薬部外品です。
また肌を白くする目的を達成するために漂白剤として酸化剤や還元剤を入れ、合成界面活性剤で表皮の中に無理やり入れ、これによってメラニン色素を破壊し、取り除こうとする製品です。またビタミンCを添加してメラニンの発生を押さえるという乳液も危険な化粧品です。
医薬部外品によるメラニン色素の破壊。これは大変に危険なことを意味しています。
メラニン色素はタンパク質で出来ています。つまりメラニン色素を破壊するということは、同時に細胞そのものも破壊してしまうことを意味しているのです。
もしこんなことを日常的にくり返してしまったら、表皮の母細胞も大きなダメージをうけてしまうのが目に見えています。
確かにこの種の製品を継続的に使用していると、一時期的にはシミがとれます。でも1年、2年とたつうちには、母細胞の破壊が表面化し、肌がどんどん荒れてゆくことでしょう。そのときになって初めて気づいたとしても、恐らくは手遅れになっていることでしょう。
いくら科学の発達した世の中だとはいっても、徐々に発生したシミを短期間のうちにいとも簡単に取り除いてしまうなどということは、不自然なことです。
不自然には必ず無理が伴います。この世の中にそんな魔法のようなことができ、しかも安全な化粧品など存在しないのです。
「まとめ」
あなたにとって一番大切なことは、UVカット化粧品や美白化粧品を、数多くのメーカーと数多くの商品の中から選んで、使用することなのでしょうか?
シミ対策の基本は、繰り返しになりますが、
「健康な肌であれば、メラニン色素がそのままシミになってしまうことはありません。健康な表皮であれば、メラノサイトで合成されたメラニン色素の顆粒は母細胞のあたりから上へ上へと移動してゆき、やがてはアカとともにはがれ落ちてしまいます。しかし表皮が不健康な場合、表皮を補強するためにいわばセメントで道路を固めるように、メラニン色素を作って固めてしまうのです。このようなシミの場合、アカとなって剥がれ落ちることはありません。これが一般にみなさんが悩んでいるシミの正体です。」
まずは、皮膚を健康にするスキンケアではないでしょうか?健康な肌であれば、
メラニン色素がそのままシミになってしまうことはありません。あなたの、10年後、20年後、30年後の、素肌のサポートを、責任を持って出来るのは、「皮脂の成分を、基礎化粧の基本と考えている基礎化粧品メーカー」だけです。
基礎化粧品は、
ゼノア化粧料本舗。
紫外線が強くなり、シミ対策を本格的にしなければいけない季節です。美容科学のパイオニアとして、70年の実績がある、ゼノアの実力が発揮される季節です。
創業70年 日本唯一のスローコスメ「ゼノア化粧料本舗」