「先生、私はどうすればいいのでしょうか?」
これまで37,000件以上の鑑定を行うなかで、人生の選択に迷う多くの方と向き合ってきました。
転職、結婚、人間関係、家族のこと。誰かに相談したいと思うのは自然なことです。自分だけでは見えなかった考え方に気づくこともあります。
しかし、占い師として仕事を続けるなかで、僕には一つの理想が生まれました。
「究極的には、占い師を必要としなくなる社会が望ましい。」
占い師がこんなことを言うと、矛盾して聞こえるかもしれません。けれども僕は、占いを否定しているわけではありません。占術を大切に思うからこそ、その役割を考え続けたいのです。
■ 人生の答えは、相談者自身が決める
鑑定では「転職した方がいいですか」「この人と結婚しても大丈夫ですか」と尋ねられることがあります。
四柱推命やイーチンタロットなどを使い、命式や卦、カードから占術上の判断をお伝えすることはできます。しかし、それだけでその方の人生が決まるわけではありません。
何を幸せと感じるか、何を守りたいか、何に挑戦したいか。大切にするものは人によって違います。
占い師が自分の経験や価値観を押しつけ、「絶対にこうしなさい」と決めてしまうのは違うと思っています。
僕がしたいのは、占術によって得られた視点を伝え、相談者が自分の気持ちや現実の状況を整理する手助けです。
人生の主人公は、占い師ではなく相談者自身です。
■ リピートしてもらうことを目的にしない
人生の節目や状況が変わったとき、再び相談に来ていただけることはありがたいことです。
ただ、鑑定の目的を「次も来てもらうこと」に置きたくありません。
何かを決めるたびに占い師の許可が必要になる。自分の考えよりも占い師の言葉を優先してしまう。もしそんな関係を作ってしまえば、相談者のためになっているのか疑問が残ります。
目指したいのは、鑑定後にその方が自分で考え、一歩を踏み出せることです。必要なときはまた相談しても構いません。でも、以前より自分の判断に自信を持てるようになったなら、それは嬉しい変化です。
もちろん、優しい言葉だけを伝えることが正しいとも思いません。時には耳の痛いことをお話しする必要もあります。
ただし、厳しく伝えることと、説教することは別です。 相手の人格を否定せず、事情を丁寧に聴き、言葉を選ぶ。それも占い師の責任だと考えています。
■ 占術が素晴らしいからといって、占い師が偉いわけではない
僕は四柱推命、易、手相などを学び、今も師匠から教えをいただいています。
占術には、先人たちが積み重ねてきた理論や知恵があります。その奥深さに触れるほど、学び続ける必要を感じます。
一方で、占術の知識が豊富なことと、人間性が優れていることは別です。占いの判断が当たったとしても、相談者より偉くなるわけではありません。
特に四柱推命にはさまざまな流派があり、知識を集めるうちに判断の軸が曖昧になることもあります。だからこそ、基本の理論を大切にし、「なぜそう読むのか」を説明できる力が必要だと思っています。
占術には敬意を。占い師には謙虚さを。
僕自身も完成された人間ではありません。学び、実践し、間違いを振り返る姿勢を忘れずにいたいと思います。
■ それでも占い師を育てたい理由
「占い師が不要になることを目指すのに、なぜ占い師を育てるのか」と思う方もいるでしょう。
人が悩みや迷いを抱えることはあります。そんなとき、話を聴き、新しい視点を届ける存在には意味があります。
だから僕は、相談者を自分に依存させる占い師ではなく、相談者が自分で考えられるよう支える占い師を育てたいのです。
技術を学ぶだけでなく、相手の話を聴くこと。自分の考えを押しつけないこと。占術に根拠を持ち、伝え方を考えること。
占い師としてのあり方も、占術と同じくらい大切にしたいと思っています。
■ 鑑定のあと、どう行動するか
最近、僕は学びのなかで、次の循環を大切にしています。
気づき → 行動 → 振り返り → 再行動
占いを受けて何かに気づいたとしても、それだけですぐに現実が変わるわけではありません。
自分の気持ちを伝えてみる。生活を一つ見直してみる。小さな選択を自分でしてみる。
うまくいかなければ理由を考え、また行動する。その積み重ねが、自分の人生を歩む力につながっていくのだと思います。
僕が掲げる言葉は、「人生に、選択の光を。」
光を届けることはできても、道を歩くのは相談者自身です。
いつか「もう自分で決められます」と言っていただけたなら、僕はそれを嬉しく思います。
その理想に少しでも近づけるよう、これからも占術と人間性の両方を学び続けていきます。
源之丞
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