【思い込み】
辞書を引くと、
『そうだとばかり信じきっていること』
『それ以外にないと固く心に決めること。』
とあります。
僕らの業界用語ではたくさんの呼び方があります。例えばビリーフ(信念)、観念、メンタルブロック、パラダイムなど様々です。
どのような呼び方であってもこれらの思い込みが、僕たちの人生を大きく左右する1つの大きな要因となっているからこそ、様々な言葉を使ってこれらをどうにか取り扱おうとトレーニングするセミナーやワークショップがたくさんあるのです。
僕たちの思い込みは多くの場合、過去の体験からそれが正しいもしくは普通(当たり前)というような思い込みを日々強化しながら生きています。
人間のメカニズムとして、1度固まった認識を疑うためには、疑う必要性が存在しないと疑いません。
試しに自分の書き上げた文章(ブログなど)で、誤字脱字の添削作業を終わったと思った後すぐに行ってみて下さい。かなり見つけにくいと思います。
さらに、もし機会があれば他人の文章の添削をしてみるとどれだけの違いがあるかはすぐにわかると思います。
そんなメカニズムがあるので、むしろちょっとおかしいかな?ぐらいだと自分の認識が間違っていることにして、疑うことをしないようにします。
余談ですがたまにニュースなどで見かける、
『絶対に損しない!元本保証で、月利100%の投資詐欺』的な多数の人を巻き込んだ投資詐欺被害者の会などで
「おかしいと思うことはなかったのですが?」
という質問に対してほとんどの人が思ったことがあると答えたこともあるそうです。
ですので、
そもそも思い込んでいることに対して、自分自身では気づくことすら難しいのです。
人のことは気づき易いのは確かなのですが、他人の思い込みに対して関わる時には注意が必要です。
誰かが正しいと思い込んでいる場合は、それに対して周囲が何を言っても先ほどのメカニズムのせいもあって、ほとんど届きません。(気づいてもらえません。)
例えば、あなたがCDに対して音楽を聴くだけの価値しか持っていない場合は、どこかのアイドルのグループのCDを1000枚買っている誰かに対して「それは意味がない。」と伝えたとしても意味がありません。
あなたの中でCDは音楽を聴くものだし、2枚以上買う必要はない。無駄遣いをしているように見えた(そんな思い込みを持っていた)としても、
その思い込みから、1000枚買うことへの意味のなさ(あなたの正しさや価値)を伝えたところで、あなたと相手では価値や思い込みが異なっているため、
その行動を止めさせたい、行動を変えてもらいたいと思っていたとしても、無用に怒らせてしまったり、逆に相手からの信頼を失ったりと望んでいない結果になることがほとんどです。
ですので、人の思い込みに関わることは非常に繊細な関わりが必要になります。僕たちプロでも非常に繊細な関わりが必要になる部分です。
いかに他人の思い込みに気づけたとしても、そしてそれがどれだけ善かれと思ったとしても、不用意に指摘、訂正、アドバイスなどは慎重さと繊細さを心がけて下さい。
ただし、自分の思い込みに関しては、適切なトレーニングを行い、ある程度センスが身につけるとそれなりに気づいたり、取り扱いが出来るようにはなりますのでご自身に対しては是非とも思い込みの取り扱いは学ぶことをオススメします。
(その②へ続く。)