もうすぐ33歳になるけど、社会人として、クリエイターとして

ぼくには何も身に付いていなかった。

 

安っぽい見栄だけで起業して

給与に見合わない贅沢を尽くし

借金は200万円近くまで膨らんだ。

 

土壇場では逃げ続け、周りから人はいなくなり

自分に甘い人だけが残った。

 

ちょっとでも厳しいことがあったら

「逃げてもいい」「自分は悪くない」という趣旨の記事や

精神疾患に侵されている希望を持って

ネットの中の記事、動画を探し回り、自分を肯定した。

 

最初に入った会社では上司に恵まれ

簡単な仕事ばかりやっていた。

自分でリスクをかぶるようなことはしなかった。

次に入った会社では単純作業の連続。

アタマを使うのではなく、決まった作業を

正確になぞる仕事が求められた。

 

相手から責められないテクニックと

何かしている気分になる打ち合わせや資料、

真に相手に価値を提供できる力が

そこにはひとつもなかった。

 

あれだけ楽しみにしていた社会人生活が

完全に輝きを失っていた。

 

このままではいけない。

 

確かに広告制作のディレクターは近い将来、不要になるかもしれない。

コピーライティングの技術も磨く必要はないかもしれない。

 

でも、そんなことはどうでもいい。

 

人間的に成長できるチャンスがここにあるのなら

俺はそこから逃げたくない。

 

やるんだ。やりぬくんだ。やってみせるんだ。

マイナスからゼロへ行くんだ。

 

カタギの暮らしなんて望まない。

俺はクリエイターとして生きていく。

 

生まれ変わろう。

 

もう33歳になるけど、成長しようと決めるタイミングに早いも遅いもない。

 

恥をかいてもいい。みじめな思いをしてもいい。

それだけ今のままが嫌なんだ。俺は変わりたいんだ。