久しぶりに小説を買った。

 

「琥珀の夢」(集英社・伊集院静)

 

帯にはこう書いてある。

 

「この夢と情熱が今の日本を作った」

 

贅沢な今の日本を築いた昔の人への興味と

仕事への一切の情熱を失った自分。

 

両者が入り混じったぼくには

とても艶っぽい言葉だった。

 

さらに序章の書き出しにこうあった。

 

いにしえから、このなだらかな広野に、汐風が、川風が流れ続けている。

人々はその水音を聞きながら、千年を超える歳月をこの大いなる都で生きてきた

 

この2行に、ぼくは胸を撃ち抜かれた。

 

アタマに浮かんだ絵は

どんな優秀なカメラマンでも撮影できない

美しい世界だった。

 

小説の言葉はすごい。

 

広告の言葉は、物事を正確に伝えることに重きを置くが

小説の言葉は、読み手の人生観を引きずり出し、美しい世界を見せてくれる。

 

いい出会いをした。