観たよ♪「ゴジラ-1.0」~ゴジラに山崎貴監督テイストは絶妙なマリアージュ♪~ | 松丸元気のあ~ゆう事やそ~ゆう事

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※それなりにネタバレが含みます。

「ゴジラ-1.0」

製作年:2023年
製作国:日本
配給:東宝
上映時間:125分
映倫区分:G

◆スタッフ
監督・脚本:山崎貴
製作:市川南
エグゼクティブプロデューサー:臼井央、阿部秀司
企画:山田兼司、岸田一晃
プロデュース:山田兼司、岸田一晃
プロデューサー:阿部豪、守屋圭一郎
ラインプロデューサー:櫻井紘史
撮影:柴崎幸三
照明:上田なりゆき
録音:竹内久史
特機:奥田悟
美術:上條安里
装飾:龍田哲児
衣装:水島愛子
ヘアメイク:宮内三千代
音響効果:井上奈津子
VFX:山崎貴
VFXディレクター:渋谷紀世子
カラリスト:石山将弘
編集:宮島竜治
選曲:藤村義孝
音楽:佐藤直紀
助監督:安達耕平
キャスティング:杉野剛
スクリプター:阿保知香子
制作担当:横井義人
プロダクション統括:會田望

◆キャスト
神木隆之介:敷島浩一
浜辺美波:大石典子
山田裕貴:水島四郎
青木崇高:橘宗作
吉岡秀隆:野田健治
安藤サクラ:太田澄子
佐々木蔵之介:秋津清治

戦時中、特攻隊員の敷島浩一は零戦の故障と偽り、大戸島に着陸するが、そこで謎の巨大生物に襲われる。島の整備班はほぼ壊滅し、命辛々に生き延びた敷島は戦後、日本に戻り、家族と死に別れたが偶然にも見ず知らずの赤ん坊を助けた典子と出会い、奇妙な同居生活を送るが生活費を稼ぐため、海中に残された機雷撤去と言う危険な作業を勤める。
だが、そこで未確認の巨大生物が日本に来る事を阻止する命令が下り、敷島はあの悪夢の生物=ゴジラと再び遭遇する…

話題の作品をやっと鑑賞しました。

で、感想はと言うと…凄い!凄い面白い!!
怖いし、ワクワクハラハラ出来るし、感動出来るし、泣けるしといろんなゴジラ映画を観ましたが、個人的にはこれが一番かと。

よく「シン・ゴジラ」と比較されますが、シン・ゴジラは災害をゴジラに置き換えて描かれた感が多分にありますが、今作は全うな怪獣映画。
それも怖い怖いゴジラを堪能出来る作品。
ゴジラが人類に対して脅威の存在として描かれている作品は結構ありますが、圧倒的な圧力と絶望的な存在感で描かれているのは意外と少ない(個人的には)。今作は初代ゴジラをオマージュとして、山崎貴監督のテイストがふんだんに詰め込まれている。
戦後と言う昭和テイストは山崎監督のオハコであり、随所随所に「ALWAYS 三丁目の夕日」や「永遠の0」と言った名作を彷彿とさせ、そこにゴジラテイストが盛り込まれている。
過去に「ALWAYS 三丁目の夕日」の続編でゴジラを登場させているし、よく考えれば昭和とゴジラは相性抜群。
また山崎監督は様々な特撮やVFXに対しての造形も深い。ベストタッグと言えばベストなコンビ。

戦後の敗戦の大打撃から、日本が復興しようする最中、ゴジラがやってくるなんてもう不幸どころの騒ぎではない。科学の粋を凝らした兵器でも太刀打ち出来ない(かもしれない)のに、何にも無くなった所にゴジラがやってくるなんて最大級の弱り目に祟り目。
そんな怖い怖いゴジラがすんごい脅威なんですよね。
個人的には底が見えないくらいの深い海は何がいるか分かんない感じが怖くて、3メートル以上の深い海や湖で泳ぐなんて絶対嫌w
すんごい深い海にゴジラが泳いで向かってくるなんて考えるだけでも恐ろしい…

また今回のゴジラは筋肉質でムキムキマッチョなゴジラなのがカッコいい♪
今までの邦画ゴジラは割りと撫で肩で上半身がスリムな感なんですが、今回はハリウッド・ゴジラの影響もあってか「仕上がってるよ!」「ナイスバルク!」「肩にちっちゃいジープ乗せてんのかい!!」と掛け声をかけたくなるくらいのゴールドジムで鍛えまくったようなゴツいゴジラになってますw
ゴジラの放射熱線を吐く際の背びれが青白く光り、トリガー的な役割なのも良いんですよね。
過去にそういった使い方があったかも知れませんが自分が知ってる限りでは今回が初のような…
こういったところにも随所にアイデアが凝らされている。

キャスト陣も豪華キャストで個人的には吉岡秀隆さんと佐々木蔵之介さん、安藤サクラさんが良い。
また、浜辺美波さん演じる典子が神木隆之介さん演じる敷島を庇ってビルの隙間に突き飛ばすシーンや敷島の震電での特攻シーン、ラストの敷島と典子の再会なんか涙腺崩壊。随所に山崎貴監督らしいテイストである意味ベタな演出がありますが、個人的にはそれで良いかと。
ゴジラと言う物凄くぶっ太い柱に人間ドラマはベタだからこそ、ゴジラの味も活きるってなもんです♪

また、人類の知恵でゴジラを撃退しても、ゴジラが完全に人類に屈せず、復活しようとする点はアリアリのアリ。
“キング・オブ・モンスター”“怪獣王”の異名を誇るゴジラが一時的に人類に敗退しても完全に屈する事は無いのは理に適っているし、たがらこそ典子の謎の復活の首筋の痣の伏線回収にもなってる。
初代ゴジラが芹沢博士が開発したオキシジェン・デストロイヤーで倒されたが、それをキエチーフ(静機)として考えての今回のラストはシン・ゴジラ寄りのテイストであってもその解釈は納得出来ます。

ただ、細かい部分でのツッコミが全く無い訳ではありませんがいろんな部分で“それでええんか?”と言う部分もあります。
例えば…

・敷島が機雷回収及び爆破の危険な仕事をして生活費を稼ぐ割には当時はとても高価なバイクを買ってるとか

・ゴジラ対策として気休め程度ではあるが機雷を船に積んでいたのはちょっと偶然が良すぎるし、機雷を積んでいたら逆に危ないやんとか

・ゴジラ撤収後の銀座は放射能汚染的になってるのにいつの間にか銀座の汚染封鎖はフェードアウトしているしとか

・大戸島で核汚染される前のゴジラはまだそんなに大きくないけど、人を咥えた際にも食べずに放り投げるだけと言うのを多分子供も観ることを想定された苦慮だと思うけど、肉食生物(多分)がエサ的な物を口にして食べないと言うのは生物的にどうなの?とか

まあ、言い出したらキリが無いんですが、それでもツッコミどころは個人的には少なめ。
あと、ゴジラが首都東京に上陸した際にビルの屋上から中継する様は初代ゴジラで有名なシーンでのオマージュですが、出来ればあの有名なセリフの「いよいよ最後、さようなら皆さんさようなら!」と言うのを入れて欲しかったかな。

あと、2019年に「熱海怪獣映画祭」で公開された「狭霧の國」と言う作品はゴジラからインスパイアされた作品ではありますが、今作は「狭霧の國」から多少感化されたようにも感じるんですよね。
ミニシアター系上映作品でありながら、割りと話題になった作品で2019年の初公開時には既に「ゴジラ-1.0」は撮影は始まっていたかと思いますが、全ての怪獣映画の元祖であるゴジラから様々な派生が産まれ、またその作品から本家のゴジラシリーズに何かしらの影響が成されていたら(想像ですが)面白い!
それこそがキング・オブ・モンスター=ゴジラのとしての本分であり魅力かと。

あと、今作の映倫区分はG(年齢を問わず、どなたでもご覧いただけます)ですが、なんか狙ったかのように「G」と言うのが良いよね♪
ゴジラ作品は製作委員会方式を極力取らずに東宝単独出資が多々あるが、今作も東宝単独出資作品。
東宝の宝であり大看板のゴジラに対して、社内に「ゴジラ戦略会議」が設立され、部署の代表はチーフ・ゴジラ・オフィサー(CGO)と言う役職があるけど、冒頭で人を咥えたゴジラが食べなかった理由はイメージやコンプライアンス的なのも踏まえてかと思いますが、この映倫区分をGにしたいが為なら面白い。
そんな遊び心を含んで映倫区分をGにしたなら素敵やんw

ゴジラ生誕70周年で実写化通算30作品目と言う記念的作品に近年の東宝の屋台骨を支える山崎貴監督がメガホンを取ったなら、面白くない訳がないかと。
ゴジラが好きで「ALWAYS 三丁目の夕日」や「永遠の0」が好きな人ならハマる作品ですが、万人に是非観て欲しい作品でもあります。絶対お勧め!