映画の世界で、バンド活動が盛り上がっている。映画『BANDAGE』の劇中に登場するバンド『LANDS』が、リリースしたアルバムは、オリコンの週間ランキングで1位になるなど大ヒットを記録。ほかにも、今年はバンド映画の公開が相次ぐ。バンド映画の魅力を探ってみた。
『皆さん、盛り上がっていますか―!今日は楽しんでいってください。』1月19日、東京・渋谷のライブ・ハウス『SHIBUYA-AX』。ステージに姿を現したLANDSのヴォーカリスト役、赤西仁が、来場者に呼び掛けると、女子高校生や女性会社員らの黄色い歓声が会場を包んだ。
この日のライブは、映画に登場するバンド、LANDSがスクリーンを飛び出し、生の演奏を行なうというもの。ライブ応募シール付きの映画の前売り券と、応募はがき付きのLANDSのシングルを購入した中から、抽選に当選した2800人が会場を埋めた。映画の前売り券は、初日に約7万枚を売り上げたほどの人気で、応募は7万通に達したという。
台湾でも、日本人ミュージシャンが絡んだバンド映画が話題を呼んだ。日本でも昨年末から公開されている『海角七号/君想う、国境の南』(ウェイ・ダーション監督)には、歌手の中孝介が本人役で登場する。台湾で、活躍するミュージシャンのファン・イーチェンらと共演している。
音楽評論家の関谷元子さんは、『俳優と歌手はスターの素質が必要という共通点がある。アジアでも、ミュージックビデオが浸透しており、大半の歌手が映像の重要性を認識しています。』と解説する。
今年は、ほかにもバンド映画の公開が控えている。4月3日に公開予定の『ソラニン』は、ミュージックビデオ界で活躍する三木孝浩監督作品で、主演の宮崎あおいがバンドを組んで劇中で歌う。
春には、バンドのヴォーカル兼ギター担当の男性が主人公の映画『音楽人』(伊藤秀隆監督)が公開されるほか、個性溢れるメンバーによって結成されたバンドの音楽活動を描いた映画『BECK』(堤幸彦監督)も9月に公開される予定だ。こちらは、水嶋ヒロや佐藤健、向井理ら、豪華俳優陣が出演する。
バンド映画大流行の背景について、『BANDAGE』で監督を務めた音楽プロデューサーの小林武史は、『音楽と映画が結びつくと、時代を象徴するものになり得ると思った。』と語る。『映画という場でのメンバーとの出会いは、刺激にもなったし、お互いに面白がることができた。』と話す監督は、平成8年の映画『スワロウテイル』(岩井俊二監督)で音楽を担当し、劇中バンドの『YEN TOWN BAND』をヒットさせた実績を持つ。
今回は、満を持して、自ら監督を手掛けたが、誰でも映画が作れるとは思わないと指摘する。『映画は突出したストーリー、読解力、構成力がなければ撮れない。僕は、コンサートのプロデュースをするので、編集のあり方は似ていると感じました。』と話していた。