はいさい！「琉球ナビゲーター」の儀間です。
以前、沖縄には正月が複数あるという話題を取り上げましたが、
今回は旧暦1月20日の「二十日正月」に行われていた「じゅり馬」です。
じゅり馬はちょっと複雑で興味深い経緯を歩んできた祭りです。
今回このじゅり馬をご紹介しましょう。
じゅり馬とはお腹の前の馬型の飾り物から延びた手綱を琉球の衣装を着た女性たちが握り、
隊列を組んで華やかに踊る祭りです。
豊漁や豊作を祈願する「春駒」系の芸能だと言われています。
那覇に三大まつりと呼ばれている祭りがあります。
現在は「那覇大綱引き」、「那覇ハーリー」、「琉球王朝祭(首里城祭)」が那覇の三大まつりになっていましたが、
以前は首里城祭ではなく、じゅり馬が那覇の三大まつりにはいっていました。
実はじゅり馬が行われる那覇市の辻町は琉球王朝時代は花街でした。
じゅり馬は花街の女性たちによって行われていた祭りでした。
それぞれの事情により花街で働くことになった女性たちは容易に親や兄弟と会うことができませんでした。
唯一、自分の元気な姿を親や兄弟に見せることができるのがこのじゅり馬でした。
辻町の花街は芸能文化の担い手でしたが、一方で遊郭という性格も持ち合わせていました。
遊郭の祭りということでじゅり馬は1988年に一旦廃止されました。
しかし、花街が文化の継承に大きな役割を担っていたということが再評価され、じゅり馬は2000年に再開されました。
今年は神事が旧暦1月20日あたる2月29日に行われ、参加団体が出演する「じゅり馬まつり」が、
3月17日にお「じゅり馬まつり」として地域の子供たちや中学校の生徒も参加して行われます。
複雑な経緯があるじゅり馬ですが、とても華やかなまつりです。
皆さまにご覧いただきたいと思います。
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