友人の来訪話続編。
一日経っても、続く幸福感。
知り合ったとき、彼女は18歳、私は20歳。
入社して、合同研修後、同じ部署に仮配属されてからの付き合い。
とても可愛らしく、ちょっと頼りなく見えて、でもしっかり者の彼女が
私には、あるテレビアニメの主人公にそっくりに思えて、
彼女を、本名ではなく、その主人公の名で呼んでいた。
まぁ、今でいうならば「チコちゃん」的な愛称。
考えればひどい話だけど、その呼び名は同期にすっかり定着して
今でも、その名で通っている。
私は途中で転職したけれど、彼女は現在もその会社で働き
定年を少しだけ意識し始めたという。
会うのは数年に一度、メールのやりとりもほぼなし。
SNSにお互いが近況を載せて、互いが把握しているような付き合い。
今回の来訪を機に,やっとラインでつながった。
お客さまとして迎えながら、
一緒に台所で夕飯の支度することを気負いなく頼める存在。
なにから手伝う?
じゃ、冷蔵庫からビール出して、グラスに注いでくれる?
のど乾いたから、ビール飲みながらやろうよ!
はぁい
私、揚げ物するから、こっちの野菜を盛り付けて!
うん、わかった
あ、ビールなくなったから、次のをお願いします!
了解です
なんだか、合宿みたいだねー
だね
友達でありながら、家族にも似た存在感。
いやいや、家族以上の心地よさ。
おっとりした私と、穏やかな振る舞いの彼女とが過ごす時間は
のんびりと流れた。
再会を約束しての別れも、名残惜しかった。
お互いがまたしばらくは、それぞれの暮らしに追われるけれど、
この3日間のことを思い出して、元気を出そう。