めざせ頂上!!(後編) | げんかや14号店                     ~早稲田の中心で、トムヤムうどんを作った~(仮)

めざせ頂上!!(後編)

富士登山記…これまでのエピソードは以下の通り(クリックOK!)


エピソード①…「ノリだけで生きてます」     (富士山登山を思いつく)

エピソード②…「自分的には用意周到」     (富士山登山の準備)

エピソード③…「本当にいいのかなぁ?」     (富士山・出発直前)

エピソード④…「無事帰ってまいりました」    (富士山・帰宅直後)

エピソード⑤…「めざせ頂上!!その前に。」 (富士山登山記・挫折)

エピソード⑥…「めざせ頂上!!(前編)」    (富士山登山記・前編)




えーまぁ要するに、↓ココでお酒が飲みたかったんですよ。

富士山

富士山のてっぺんを目指したわけなんですね。










エピソード⑦…「めざせ頂上!!(後編)」



(前編のつづき)

俺たち嵐の登山中!!


登山中

(左:はまじ 中央:けいじ 右:なり 撮影者:シンゴ)




9月12日午前0時30分。



7合目のトイレに避難して1時間以上が経過した。

雨は依然として降り続いてはいるものの、かなり弱くなっている。

これはもしかして、晴れるかもしれない…!!

そんな期待が僕らの胸をよぎった。



雨が上がらなければ、せっかく頂上へ行ってもご来光が見れない。

雨さえ上がれば、今の時間、夜空には満天の星空も見えるはずだ。



とにかく、天候は神のみぞ知る。僕らは、信じ続けて登るしかない…。



この時間からだった。にわかに7合目が騒がしくなったのは。

7合目の山小屋で一晩を過ごしていた登山客たちが起き出したのだ。

総勢15名くらいだろうか。(正直、こんなに人がいるとは思わなかった)

彼らは恐らく、前日の昼間(嵐が来る前に)7合目まで登ってきた人たちなのだろう。

僕らが避難していたトイレを出入りするようになった。


そんな中で、僕らに話しかけるひとりのおじさんが現れる。




おじさん:「○★◎∂⇔♂℃▼〒☆?」


我々  :「は????」(なに言ってるかわからん!)


おじさん:「◎◆▲△□$≧*@」


我々  :「おぉ!この人外国人か!!」


暗くて顔が分からなかったが、どうやら西洋人のようだ。


はまじ :「うーん。どうやら、てっぺんまであとどれくらいあるかってきいてるようだな」


シンゴ :「ここからだったら、あと4時間くらいかけて登らないとな」


はまじがカタコト英語で言う。


はまじ :「あ~。えーと…フォーあうあーず!」


おじさん:「??」


はまじ :「だから…4 hours!!」」


おじさん:「…Oh! Thank you!!」


はまじ :「通じた…。俺、イーオンやってたのに自信ねぇ」


ほっとしたのもつかの間。おじさんがまた喋りだす。 


おじさん:「☆〒※&▽%■$△…Wait for 10 minutes!」


一同  :「おぉ。最後の英語だけ聞き取れた」


おじさんは山小屋へ消えていった。


はまじ :「たぶん、一緒に行きたいから、10分待ってくれってことなんだろうなぁ」


シンゴ :「そうだね。待っててやるか」





…10分後。

おじさんは、奥さんらしき人と一緒に山小屋から出てきた。

ニッコリと笑って、笑顔の挨拶だ。

おじさんも、おばさんもおそらく50代くらいだろう。

悪そうな人でもないし、ここは日本代表として、我々はこの西洋の夫婦を護衛することにした。


「じゃあ、いくか!」


「Let's go!!」





9月12日午前1時00分。

7合目出発!!



ベルギー夫妻現る!!


こうして、日本人4人と西洋人夫婦の奇妙なパーティーの冒険が始まった。



7合目からは、ほとんど崖のような急な登り坂が続き、5合目のような平坦な道はなくなった。

そんな中でも、西洋人夫婦は、しっかりとした足取りでついてくる。

おじさんはペースが速い。

前編で話したとおり、あまり速いペースで登ると、後で後悔する羽目になるので、カタコトの英語でなんとかペースを落としてもらった。

僕らは、特に西洋人夫婦の奥さんの方に気遣いながら歩いた。



時々休憩を挟みながら、僕らと西洋人夫婦は語った。



どうやら、この夫婦はベルギーからきたらしい。

3週間の滞在予定で日本を旅行し、富士山を登ったあと、京都に行くのだそうだ。

お互い、旅の思い出人なので、名前こそ聞かなかったが、僕らは彼らのことを「ベルギー夫妻」と呼んで慕った。

互いに助け合いながらの登山は、一気に心の距離を縮める。

ベルギー夫妻3

見てください。はまじはまるで親子のようになっています。

ついでに言うと、僕のヘッドライトは奥さんがつけています。

(写真をクリックすると拡大できます)







そしてきました!!8合目!!

八合目

頂上まであと1時間50分!!


もうすぐだ!!ここまできてお腹が空いてきた6人。

ここの山小屋で食料を調達します。




外国人と一緒に食べるものといえば…

No Border!!

カップヌードルに限ります。(まさに"No Border"

ちなみにカップヌードルは1コ500円でした。

しかしここで食べるカップラーメンは


世界一うまいカップラーメンだった。





そこからさらに登ること30分。


このとき!!


奇跡が起きた!!!!













ついに富士山が晴れた!!!!










一同:「うおおおおおお」






「なんだこの星空は!!」









もう、見上げればそこは、空ではなかった。





宇宙だ。





ひとつひとつの星がでかい。

見えない星までもが見える。

北海道でも見たことがないほどの星空だった。



「星が降ってくるようだ」とはよく言ったものだが、まさにその通りとしか言いようがない。

流れ星もいくつも見える。







これだけでも、富士山に登った甲斐があるというもの。




登山道の途中で、僕ら6人は10分ほど呆然と天を見上げていた。









それから10分後…。


本8合到着!!

頂上まであと1時間ちょっとだ!!




がぜん気合が入る僕たちに、忘れかけていたヤツが現れる。













不幸の男神。ミスターアンラッキー。

嵐を呼ぶ男

嵐を呼ぶ男・はまじ。













はまじが突然叫ぶ!!!!















キタ――(゚∀゚)――ッ!!














 !!!!!!


一同:「ど…どうした!はまじ!!」












はまじ:「はははは!!!やべぇ!!!

















 高山病キタ―――――――(゚∀゚)――――ッ!!








アタマ痛ぇ!!!めまいする!!!泣」












けいじ:「マジで??大丈夫か??酸素吸え酸素!!」


はまじ:「(酸素ボンベで)シュゴーシュゴー」


けいじ:「どうだ??」


はまじ:「うむむ…あんま変わらん。酸素さえあれば最強だと思ってたのに。泣」


けいじ:「やばいなぁ。顔色悪いぞお前」


はまじ:「ちくしょう。本8合に来た瞬間にめまいが来た」


けいじ:「やっぱ空気薄いんだなぁ。てかさぁお前、




ゲリにはなるわ高山病にはなるわでふんだりけったりだな(ブハハ)」




はまじ:「……(なみだ目)」







けいじ:「帰れば??」





はまじ:「うそーん!!ここまできて!?」





けいじ:「嫌なら行くぞ。歩け」





はまじ:「お…おう…(涙)」





こうして、僕らのファイナルステージが始まった。


夜明けまであと少し。


時刻は9月12日午前4時00分。


山頂はもう目の前だ!!





上を見れば、宇宙が広がり、冬の星座が見えた。オリオン座の下に、煌々と輝くマイナス1.4等星のシリウス。真上にはスバルが普段よりもずっとはっきり見える。星好きにはたまらない環境だろう。

下を見れば、下界に人間の世界…街の灯がいくつも見える。

遠く遠くまで、普段なら見えない山の向こう側まで見える。ずっと奥は恐らく東京の夜景だろう。そういえば、早稲田大学の14号館の最上階からも富士山が見えたっけな…。そんなことをふと思い出す。





幻想的な暗闇を一歩一歩登る僕ら。

高山病で限界間近のはまじ。

僕らは、最後の力を振り絞って、登り続けた。



最後の頂上までの道のりは、近いようで遠い。そして、空気が薄い。

頭が重くなり、目が痛くなる。疲労も溜まる。

でも、もう嵐はない。冷たい風も吹き付けない。




富士山は穏やかに、僕らを歓迎していた。













次第に東の空が明るくなってきた。

夜明け前



やばい。夜が明ける。


ご来光に間に合わせなければ…。


シンゴとなりもベルギー夫妻を気遣いながら、登っていく。













休み休みでも、着実に登り、はやる気持ちを抑えながら前進し…

















ついに…






















登頂!!!!!!

登頂!!

(左:はまじ 右:けいじ)

うおおおおお!!!!!やったー!!!!!







登頂時刻9月12日午前5時00分。

予定通り、ばっちりご来光前に着きました!!!






イエーイ!!!!!

登頂記念写真

一緒に登った仲間たち。


みんな達成感でいっぱいです。



人間の精神力というのはすごいもので、このとき、完全に精神が肉体を凌駕した気がします。

登頂を果たした瞬間に、高山病だとかめまいだとか吐き気だとかゲリだとか、全て忘れちゃったんですよね。

はまじがハイテンションだったのにはびっくりです。




応援してくれたみなさん、心配してくれたみなさん。友達、家族…本当にありがとうございました。

おかげで私けいじは、最悪な23歳最後の日と最高な24歳最初の日を迎えられました。笑


…と、まとめに入るかと思いきや。笑


まだまだ続きます。



さぁ幾多の困難を乗り越え、ついに富士山の頂上へ登りつめた我々…。

一体ここで何をしたのか??





それについてはまた次回。



次回の「魔運天富士」をお楽しみに~!


つづく。