元々、右投げ左巻きだったんですよ。
右手でアップからアップクロスにキャストして、緩急激しい積極的にラインスラックを出してシンキングミノーを飛び出す寸前まで、ほぼドリブルのような操作をするスタイルだったんです。
キャストも当時のナイロンラインが一時間で断面が四角くなるキャストでした。
丸々一日釣りをすると、
ラインを巻きかえなくてはならない程に投げました。
結果、ある日、突然に右手が動かなくなりました。
正確には痛みを伴い、稼働範囲が極端に狭くなりました。
馴染みの接骨院では「これはもう外科治療しないと…」と外科治療の紹介状を出され
検査すると右手首靭帯損傷と腱がささくれ、伸びて弛んでる状態で、間もなく切れるでしょう。と。 
このまま使い続けると日常生活に支障をきたすレベルです。と。
炎症を抑えてから右手の負荷を大幅に減らすしかないですね。と。
そこで変態も考えた。
「左手あるじゃン!」
幸いシーズンオフ(禁漁)で
注)当時は若かった。禁漁ギリギリまで本流に渓流に通い、他の釣りには見向きもしない。そんな時期が有りました。
シーズンオフにまずは左投げ右巻きに修整してしまおう!と考えた訳です。
今思えばウルトラバカです…

先ず左投げ。これが思い通り行かない。
ド基本のオーバーヘッドキャストが出来るまで一ヶ月以上かかり、
同時に右巻きも中々に馴染まなくて…
自宅でタライ相手に投げ、管釣りで投げては巻き、
魚とのやり取りも辛うじて形になり、
オーバーヘッドキャストが満足行く精度に達したのは解禁直前でした。
まだまだぎこちない左投げで寒狭川の解禁やら芦ノ湖特別解禁やら行きますが、
やはりランディングも酷くぎこちなく、特別解禁では近くの釣り師さんに数回ランディングして頂く始末。
その釣り師さんに事情を話したら「アンタ、相当なバカだな(笑)」と呆れながら見ず知らずの私に付き合っていただけました。
寒狭川では軽量ルアーが飛ばず悶絶。
細糸のランディングに一苦労、
隣のフライマンに度々ご迷惑をおかけして
(もっと上手くいくと思ってたら酷く精度が低かったり風が吹くと乱れに乱れる訳です。)
最後には怒鳴らせてしまいました。
事情を説明してみたら「アンタ、相当のバカだな(笑)」と缶コーヒーを頂き場所を風下側に代わっていただけました。
気付けば右投げ左巻きから
左投げ右巻きに変更して、当たり前に釣れるまで一年半かかり
そこからサイドハンド、バックハンド、スリークォーター等は比較的簡単に覚える事が出来たのですが、
右巻きになって一番困ったのが、
スピニングリールのフェザリング!
スプール外周に指を添えると糸が回る方向に指を差し出す訳です。
つまり、回転しながら放出される糸が指先に向かってくる。
苦肉の策で指先をスプールに当てる時に指の背を当てたり、小さいリールの時は第2関節付近を当てたりしてますが…
右巻き用リールとか出ないかなぁ(苦笑)
その後、ベイトキャスティングリールを覚えたりしましたが
今ではすっかり左投げ右巻きになってます。

しかしながらテンカラとフライは元々手首に負担の少ない釣りでしたので
フライとテンカラは未だに右投げだったりします。

まぁ、あれです。
50も前になると「昨日今日の変態じゃねぇから。」って事ですね。