先日のブログでやっとOEMのデザインが決まって製品化されると書きました。

この話はこれから発売されるのでまた後日。

 

このブログを以前から読んでいただいてる方は知っていると思いますが、以前ダイワにOEMで主にメタルジグのデザインを10年ほど提供していました。

時期は大体2009~2019年位です。

おそらくこの期間中に製品化された物は10機種以上あったと思います。

その中で現在でも生き残っているのはKYジグとTBジグの2機種のみです。

 

当時ダイワはルアーの担当者がテーマを決め、こちらにイメージイラストが送られ、そのコンセプトに沿って具体的な図面(側面、上面等の重量に対しての大体の長さ)を提出、OKをもらってからサンプルの作成に取り掛かる感じでした。

正直な話、これでいいのか?と思いながら作成したものもありました。

 

確か2014年位だったと思いますが地方に特化した商材を作成するというコンセプトで最初に話をいただいたのが上記2機種です。

最初にとりかかったのはTBジグです。

今回は珍しくイメージイラストが送られて来なくて対象とするサンプルが送られてきて来ました。おそらく地元のローカルメーカーの物だったと思います。

数機種あったのですが全体の特徴として

●サイズ(重量)に対して全長が長い

●表面積が大きい

この2点が共通していました。

 

まずは水深20mほどの岸壁でアクションチェック。

こちらで使用するタックル(玄界仕様ロッドでMLくらい)でシャクルと時々回転、テールにフックを付けるとやや収まります。

重心が分散した薄い板状のロングジグなので相当ソフトにジャークする必要があります。基本タックルがかなりスローな調子のロッドの使用を前提としているのでしょう。

 

そこでこちらが考えた改良点は以下のとおりです。

●回転を抑える

●フロントのみの使用でも使えるようにする

●上記を踏まえロッドの使用範囲を大きくする

●重量に対して長く、表面積を大きくしなおかつ上記の改良を施す

 

このジグはこちらで自由にデザインしました。

まずは重量に対し目一杯フラットなロングボディに回転を抑えるためにセンターにキールを入れ、更にサイドにエッジを入れるため薄く伸ばした半月上の断面としました。

最初のサンプルはテールのエンドまでキールを入れ、テール側の形状もやや広め。

岸壁でアクションチェックしてみるとフロントフック仕様ではややテールを振るので乱流を抑えるためにテールのエンドに向かってキールを落としフラットに変更、テール側に向かってサイドも削り込み細くするとだいぶまとまりました。

基本、運動は物理です。

 

こちらで使えそうなサンプルができたので担当者に提出、テストをしてもらいました。この間たったの3か月。

テストは順調だったようですぐに量産化に移行しました。

 

当時の宣伝文句は”鳥羽の凄腕船長達の結晶”とか何とか言っていたような。

本当は一人のおっさんが呼子の岸壁でやすりで削って作ったもので自分で魚一匹も釣っていません。ただし語弊があるので捕捉しますが遊泳チェックで8~9割ほど完成します。残りの1~2割で詰めていきますが、使用するタックルやフックのセッティング等のバラツキがあってもいいような仕様にするのが大手メーカー基準です。

要はセッティングの幅を持たせます。

活ジグみたいに使う人にある程度の技量がある人前提ではないのです。

 

先週末たまたまザ・フィッシングを観ていると明石沖のジギングでした。

テスターの清水さんと若い方が一緒に釣っていましたが、後半若手の方に大型が連発しました。その時使用していたのがTBジグでした。

テレビを観ながら何となく状況が理解できました。

清水さんは自分がプロデュース(デザイン?)したジグに拘ったからです。

清水さんは水深や潮流に合わせてジグやタックルを替えていきましたが単純にステイの長さがTBジグの方が長く、当日はその方が良かったというだけです。

TBジグほど重量に対して表面積が大きいジグが他に無いからです。

おそらく本人が一番わかっていると思います。

 

TBジグは販売から10年以上が経ちました。

ダイワのメタルジグにしては珍しい事です。ルアー、特にメタルジグは大手ほど売れないと年末セール行きです。メーカーはデザイナー殺しの行為を簡単に実行します。

 

長く売れ続けるには理由があるのです。

しかしメーカーの担当が理解しているのかは不明です。