三月議会は、一昨日に行政改革、中期財政計画、定員適正化計画の報告を受け、今日から予算質疑が始まりました。すでに質疑をした部分、これからの部分(発言内容は通告してます)もありますが、今日は、発言趣旨(施設の老朽化問題編)について書いておきたいと思います。

1.【中期財政計画の質疑より】施設・インフラの更新費用の確保をどうするのか?
 中期財政計画について報告がありました。高砂市が抱える借金の量は、めちゃくちゃ多いわけではありません。やや多めという評価でしょうか。他方、家計でいうと貯金をどんどん切り崩している状態で、資金繰りは厳しいものがあります。それゆえ、高砂市内の施設を更新するに見合っただけの財源は確保できてないと、私は、考えます。

 借金がそんなに多くないのに、資金繰りが厳しく、更新費用の財源が確保できないのはなぜか?その理由の一つが、高砂市の施設が多すぎるからだと考えることができます。(高齢化社会における社会コストの増大、市民病院など公営企業への繰出しなども理由として挙げられますが)施設が多いため、人件費や管理費がかさんでおり、資金繰りが厳しい状態です。

以前も書いたように、市内のすべての施設を更新することは、おそらく不可能です。残念ながら、いくつかの施設は、つぶさなければなりません。その「つぶす」ということに着手しなければ、いつまでも他の施設を建て替え・大規模改修できる財源的なメドがたたないのではないように思います。

施設がどんどん老朽化するという意味でも、財源を確保するという意味でも、施設の老朽化は先送りできない問題です。

2.【予算質疑より】広域連携の話し合いを一歩進めて、施設について、総合利用促進や役割分担の話し合いを進めることはできないか?
いくつかの施設をつぶさなければならないとしても、難しいのはどの施設にも利用者がいるということです。施設をつぶさなければならないとしても、この利用者のことを考えなければなりません。

ところで、この施設の更新問題で苦しんでいるのは、高砂市だけではありません。近隣の加古川市や姫路市でも同じでしょう。(ただ、高砂市がその黄金期に、いち早く、多く作ってはいますが)そこで、近隣市との協議のテーブルに、この施設の相互利用の推進や役割分担の話をおけないか。高砂市は施設Aをつぶすけど、その利用者には加古川市の施設Aを利用できるようにする。姫路市は施設Bをつぶすけど、高砂市の施設Bを利用してもらう。高砂市は、この施設Bをちゃんとお金をかけて整備するという具合に衝撃緩和をするということです。

「他の自治体の協力を得て規模の適正化を図」るというのは地方自治法上の命題です。

3.【予算質疑より】施設の再配置計画など全体計画の中で新庁舎建設も位置づけるべきではないか?
このように、施設は更新できないことを前提に、何を残し、何をつぶすかを考えなければなりません。また、これを考える際には、人口減少も加味しなければなりません。その全体像をちゃんととらえ、計画的に施設の更新を図らなければなりません。また、残す施設に、他の施設を統合することも考えるべきです。(例えば、学校の空き教室を公民館や福祉施設にするなど)

ところが、この全体計画(再配置計画)がつくられないままに、施設の建て替えの話が進んでいってように思います。たしかに、その施設の一つひとつについて説明を受ければ、必要な施設だとは思います。ですが、これでは部分最適になっても、全体最適にはなりません。(市役所の各セクションも自分のセクションの施設はつぶさず、いち早く更新したいと思います。これは、各セクションが各々の使命を感じているからであり、決してエゴではないと思います。が、やはり全体ビジョンがない以上は、全体最適にはなりえません。)各施設の機能を複合化する前提での建て替える話も無いままになるでしょう。

4.【定員適正化計画の質疑より】施設の老朽化問題を扱う部署は、いつ頃までに、どのような形態でつくるのか?
ということで、施設の老朽化問題を解決には、いち早く施設の更新計画(再配置計画)を立てなければなりません。しかし、その前段階として、この問題を扱うセクションが必要です。(現状は、他の仕事とかけもちしながらごく少数の職員さんが担当している状態です。←これでは、どんなキレ者でも計画策定に着手できるはずがありません)

経営資源は、「人・モノ・金・情報」であると言われます。冒頭での中期財政計画での議論が「お金」の問題だとしたら、最後の定員適正化計画での議論は「人」の問題です。