1.子ども支援室

十二月議会中にも一度全員協議会(非公式の本議会)が行われました。そこでは、組織改正などについて報告されました。以前にも書いた通り、 子ども支援室の設置など利用者(市民)の利便性を高めたり、あるいは各ユニットの実行力を高めるものであり、歓迎したいと思います。


2.横断的組織

しかし、現在の高砂市の組織については疑問なしというわけではありません。たとえば、文化行政は健康文化部にありますが、市史編纂は総務部にあり、地域資源の掘り起こしは教育委員会、観光は生活環境部が所管するように、市長が力を入れるとする文化行政がどれだけシナジー(相乗効果)を生むかは疑問です。城のごとき、あるいは計算式のような堅固な組織図ではなく、プロジェクトチームやマトリックス組織のような柔軟な組織というのも検討していく必要を感じます。


3.7人の侍

そもそも、過去からの経緯を捨象すると、本来、同じような方向を向いている、あるいは方向を向くことにより相乗効果は発揮するセクションが分散しているのか、逆にあまり相乗効果を発揮するとは思われないセクションが一つの部にあるのかが疑問となってきます。


第四次総合計画では、

①みんなの個性をいかす市民参画都市

②誰もがいきいきと暮らせる健康福祉都市
③ふるさとを愛し思いやりとたくましさが育つ教育文化都市

④地域の暮らしを守る安全安心都市

⑤自然と調和した環境共生都市

⑥活気があふれ躍動する産業交流都市

⑦親しみある簡素で開かれた地域経営都市

という7つの基本目標を掲げたのですから、この7目標に従ってセクションを再編するべきではないでしょうか。組織は戦略に従うというのはアルフレッド・チャンドラーの言葉です。


すぐに再編できないまでも、7つの目標に向けての各セクションの相乗効果、7つの目標に向けての各セクションの調整(各セクションの間に陥る行政課題はあると思われる)、7つの目標達成の責任の明確化などを目的として、各基本目標にあわせたスパーバイザーのような管理職を創設してはどうかと思う。そして、そのスパーバイザーに人事権と予算権を委譲してはどうだろうか。(民間会社のカンパニー制に想を得ている。議院内閣制が頭にあるのではない。ただし、カンパニー制は法的概念ではないので、採用する各社により形態はまちまちであることに留意を要する。)


もちろん、組織を7つの基本目標に合わせて再編しないままに、7人のスパーバイザーを置くとすれば弊害もあるとは思います。(一つのセクションが複数の管理職の命令系統にあることになってしまうなど、マトリックス組織における問題を逆にした形での問題など)ただ、繰り返しになりますが、組織は戦略に従うのであり、またこのように組織を改めることにより、トップは、小さなことを気にせず、本来のトップ・マネジメントの仕事に専念できる組織ができるのではないかと思います。