今日から審議が始まった十二月議会。

前半の交通事故関係にも質問が集まっていましたが、今日のメインテーマは「指定管理者制度」で、合計5つの指定管理者制度について議論がなされました。(ちなみに、明日は今日の積み残しから始まります。10時から互助会問題、おそらく昼からは補正予算の質疑になるように思います)


指定管理者制度とは、それまで地方公共団体などに限定していた公の施設の管理・運営を、営利企業やNPO法人・市民グループなど(※1)の法人などに包括的に管理の代行させることができる制度です。(※2)


指定管理者制度の導入により、施設の運営・管理にかかる費用が少なくなることが期待されますが、それは副次的な効果と考えるべきで、主たる効果は民間や市民の発想で①施設が輝きを取り戻すとともに、②サービスの向上による利用者の満足度の増大が図られることだと思います。(6月議会時のブログで書いた通り)


それゆえ、各指定管理者制度において選定されている事業者が①施設の輝きを取り戻せるか②サービスの向上による利用者の満足度の増大が図られるかが最大の論点となってくるように思われます。



1.斎場

斎場については、「高砂市が公営でやってきた理念」という切り口での議論がありましたが、これは「市民の誰もが安心して便利に使える施設であった」と言い換えることができるように思います。すなわち、「利用者の満足度」の議論に収斂されるのではないでしょうか。

そして、事業計画書を見る限り、一応「利用者の満足度」が増大するようですから、選定された事業者でいいのではないかと考えます。ただ、(これは他においても共通することですが、)事後的に「利用者の満足度」が増大したかどうかは厳として問われなければなりません。


もっとも、せっかく指定管理者制度を導入するのですから、市民ニーズにかなった事業の柔軟な展開がもう少し欲しかったようには思います。(横山議員が「家族葬」のニーズの高まりについて指摘されていた)


2.青年の家

漁業協同組合が選定されていました。同組合に社会教育施設を運営・管理した実績はなく、かつ社会教育施設の管理・運営は同組合の定款の範囲外の行為であり、また一般的にも漁業協同組合が指定管理者になった例は少ないように思われるので、正直、驚きました。加えて、次点の候補者との点差が600点中2点であることから、選定委員会でどのように評価されたかの興味は隠せません。(※3)


しかし、斎場同様に、しっかりした事業計画書(優秀な方が作られたものと思えます)を見る限り「利用者の満足」や「利用者の増大」が図られるようですから、選定された事業者に任せてもよいようにも思われます。


もちろん、事後的に「利用者の満足」「利用者の増大」がしっかりチェックされなければならないのは言うまでもありません。

特に各種団体との連携が事業計画書に載っていますが、これこそが指定管理者による「青年の家」の運営・管理が成功するかの明暗を分けると考えられますので、掲げた各種団体との連携を実現できるか(予算やマンパワーを含め)しっかり確認していく必要があると思われます。


3.小括

1と2につき、選定された事業者の運営・管理能力に疑問を呈する向きも現時点ではその論証に決め手を欠く以上、結論的には、任せてみるしかないのではないではないか。と書く私も正直、モヤモヤしていますが・・・


(つづく)


※1民間企業だけが念頭におかれた制度ではなく、NPOや市民団体など法人その他の団体が管理者になることができる。


※2管理代行の指定は委託契約ではなく行政処分(公権力の主体たる国または公共団体が行う行為のうち、その行為によつて、直接国民の権利義務を形成しまたはその範囲を確定することが法律上認められているものをいう)であることに留意を要する。


※3選定委員会は非公開で、その議論の過程は議会でも明らかにできないようである。その理由は、意思形成過程への影響と営業上のプライバシーの2点である。しかし、結論を出した後であるから意思形成に影響は無いし、プライバシーの問題は本人の同意をとるか、同意がない場合は当該部分のみを公けにしなければよいのであるから、疑問が残る。