先日、福井県立音楽堂(ハーモニーホールふくい)で弦楽アンサンブルの演奏会を

聴いてきました。

これは福井出身の弦楽器奏者四人が企画したもので、日本を代表する弦楽

四重奏団「ジャパン・ストリング・カルテット(JSQ)」を福井に招いての合同演奏会です。

 

JSQの四名は元東京音大教授で世界的バイオリニストの久保陽子さんはじめ、元NHK交響楽団首席ビオラ奏者の菅沼準二さんなど、戦後の国内クラシック界に名を刻む重鎮たち。

演奏家として、指導者として長年活動してきた大先輩方との共演は福井の四人にとっても、個人レッスンだけでは学べない、素晴らしい成果を得ることができたようです。

 

コンサートでは、まず県内の四名による弦楽四重奏に続き、最後には八名全員による

息の合った弦楽八重奏が披露されました。

JSQの皆さんはいわゆるシニア世代なのですが、音楽はいくつになっても

続けられるだけでなく、さらに熟練していくものだと示してくれた気がします。

 

一度バイオリンの方の譜面が落ちて、やり直しをしたのですが、アンコールの時にその曲をまた演奏してくれました。

「さっき譜面が落ちたのでもう一度やります」なんて言いながら…。

その様子がすごく洒落てて余裕があって上品で、何とも素敵でした。

 

これまで弦楽にはあまりなじみがなかった私ですが、バイオリンやチェロの

音色に春の訪れを感じて、草原を渡るそよ風が吹いているような、透明感あふれる美しい音に包まれた贅沢な時間でした。

 

実は福井県では「芸術教育推進事業」を行っており、その一環として指定の小学校に弦楽

クラブが創設されています。そのクラブの指導にはこのコンサートを企画したメンバーが当たっており、何とも恵まれた環境です。演奏会には、その指定小学校の先生も来ていたのですが、「放課後、校内からバイオリンの音色が聞こえてくるってなかなかいいものよ」と

言っていました。 確かに優雅ですよね。(H.S)

 

福井新聞より

 

「ハーモニーホールふくい」Facebookページより