先月から福井市立郷土歴史博物館で開催されている「福井の仏像」展。

私は個人的に一度、そして撮影取材で二度、見学してきました。

合計34体もの仏像は、どれも福井県嶺北(北部)の寺から特別に

出張展示されているもので、地元にこんなにも歴史ある仏像があったことに

まず驚きます。 

福井県嶺北で現存するもっとも古い木彫仏である虚空蔵菩薩坐像。

平安時代初期(9世紀)のもの。(越前市大滝町 神宮堂所蔵)

 

印象に残る勢至菩薩立像。鎌倉時代(13世紀)のものです。

端正なお顔立ちなのに、後世の修理で無理やり玉眼が嵌め込められた目が

何とも痛々しく見えてしまいます。

斜め横から見てみると本来のお顔の美しさが分かりますよ。

(鯖江市中野町原 勢至堂所蔵)

 

聖観音立像。平安時代(11世紀)のものです。写真では分かりづらいかもしれませんが、

右足がわずかに前に出ています。観音様はあらゆる場所に現れて人間の苦しみを

救ってくれる仏様とされていて、右足を出して今にも動き出しそうなのは

まさに「今助けに行くよ」という行動力を表しているんですね。

(坂井市三国町南本町 西光寺所蔵)

 

仏像たちを何度も繰り返し眺めるうちに、とても身近な存在に思えてきて、

癒されるだけでなく、無償の愛に包まれているような穏やかな気持ちになりました。

 

仏像に興味のある方はもちろん、これまであまり関心のなかった方もぜひこの機会に

一度足を運んでみてはいかがでしょうか。11月23日(水・祝)まで開催。(H.S)

 

※写真は特別に許可を得て撮影しています。

福井市立郷土歴史博物館 Facebookページ

 

 

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