今期、北信越リーグの松本山雅FCの指揮を執った辛島啓珠監督が、
来期、J2のFC岐阜のトップチームのコーチに就任することが決まった。
その辛島氏であるが、12月28日付けの信濃毎日新聞のインタビューに対し、
いくつか???な主張を行っていたので、おいらなりに考えてみたいと思う。
(ちなみに、『Jを目指すのならAC長野パルセイロと一本化したほうがいい』という部分に関しては、
本人の意思と反するということだったので、???だとは思わないことにする。)
さて、辛島氏の主張は、
1.就任当初(3年前)と比べ、練習環境や待遇は良くなったが、クラブハウスや固定した練習場がない。
2.松本山雅はJリーグに行きたいのであれば、監督と複数年契約を結び、先を見越した強化を行うべき。
3.長野県の社会人や高校生のレベルは低いし、指導者も、それほど熱心ではない。これは、現に強くなっていないから明白であり、また、低年齢層にいい選手が育っても、高校生ぐらいになると県外に流出してしまうのは、県内には、魅力あるチームが少ないからだ。
という3つである。
まず、1。
地域リーグのチームがクラブハウスや固定した練習場を持ち、サッカーに専念できるプロ契約の選手を集めるのにどれだけの資金が必要なのだろうか?それを集めるには、どうしたらよいのだろうか?
来年Jに上がりますから、お金出してください?
弁護士になりますから、弁護士事務所に入れてください。
野球うまくなりますから、阪神タイガースに入れてください。
そんな馬鹿な話は、ないだろう。。。
スポンサー料は、地域リーグ→JFL→J2→J1とあがって行くにしたがってあがるだろう。
よって、地域リーグのチームが企業から多額の資金を集めることは不可能だ。
だから、許される資金(お金を借りてきてもかまわない。それが可能であるのなら)で、
その時点の最強チームを作るというのが、フロントと監督の仕事であり、
それは、企業経営でも、普段の自分の生活でもいっしょだと思う。
それを環境のせいにするのは、少しいただけない。
要は、許される資金で最強チームを作れず、結果、JFLに昇格できなかった、
あるいは、許される資金で最強チームを作ったが、結果、JFLに昇格できなかった、
のどちらかなのであり、
どちらだったのかをはっきりさせた上で、次の手を考える必要がありそうだ。
ただ、道楽でお金を出してくれる人もいなくもなさそうなので、
(例えば、イングランドプレミアリーグのチェルシーのオーナーであるアブラモビッチ氏)
強くしたいだけなのであれば、そういう人にチーム丸ごと身売りをすればよいのかもしれない。。。笑
(買ってくれるかどうかはまた別の話。)
地域リーグのチームが、アルウィンというJのチームがうらやましがるようなスタジアムで試合ができ、
数千名のサポーターの応援を背に試合ができるということだけで、
明らかに他の(北信越だけでなく)全国の地域リーグチームよりは、恵まれているといえるのではないだろうか?
それでも地域リーグの決勝大会の予選リーグ(ホームのアルウィンで行われた)を突破できないのは、監督にもかなりの問題があると私は思う。
次に2について。
全く同感である。
しかし、自分が複数年契約を申し出て、それを否定されたとしても、
納得させるほどの行動力があったらよかっただけの話ではないだろうか?
どうしても納得できないのであれば、引き受けなければよいだけの話だ。
雇う側、雇われる側、どちらがえらいということはない。
どちらも、必要としているから、契約が成立するわけで、
チーム側がモウリーニョに単年契約を提示してきたとしても、
モウリーニョが複数年契約ではなかったら嫌だといったら、
チーム側が折れる可能性もあるだろう。
つまり、現時点では、辛島氏が監督として指導者としてフロントに信頼されていなかったということの証明だ。
3も基本的には、同感である。
ただ、松本山雅FCについては、長野県出身の選手にはこだわっていないはずだし、
うまくなくてももよいのではないか?
仮に、長野県内の選手がうまくなったとして、松本山雅FCに来てくれるかは別の話である。
Jのチームに行ってしまうだろう。
だから、まず、チームとして魅力のある位置にいかなくてはならない。これは、辛島氏も述べていた。
しかし、魅力ある位置に行ったとしても、長野県出身の選手だけでチームを作る必要はないだろうと思う。
むしろ、全員外国人とかにしたほうが強いチームが出来上がりそうだ。
(Jでは、外国人枠が設定されていて、全員外国人にするのは今のままでは無理なはずだが、
Jの目的が、日本人のサッカー選手の就職の場にあるのなら、現在のままでいいだろうし、
世界で戦える選手の養成や、世界で勝てるチームを作るとかいうのであれば、外国人枠は取り払ってもいいのではないかと、クラブワールドカップのACミランと浦和レッズの試合を見ていて思った。結果は1対0だったが、レベルは全然違っていたのだから。。。)
指導者は、自分のチームのことだけを考えるのではなく、
日本のサッカー界、世界のサッカー界のことを考えて指導したほうが良いだろうと思う。
結果、自分のチームのためになるのだから。
参考:天才数学者ジョン・ナッシュの言葉。
『Adam Smith said the best outcome for the group comes from everyone trying to do what's best for himself. Incorrect. The best outcome results from everyone trying to do what's best for himself and the group.』
3つの主張に対して、基本的な部分に関しての異論はないのだが、
私には、このすべての主張の最後に、私の指導、采配は、完璧だったが、周りの環境が悪かったから、JFLに昇格できなかったという言い訳がくっついているように見えた。。。笑
監督の力だけではどうにもできない部分があるというのは理解はできるが、
実際にアルウィンに足を運び、試合を観ていると、
素人の私には、地域リーグだけを勝てるチームを作っていたように思う。
そもそも、JFLにあがることは今期の目標ではあったかもしれないが、
JFLからJ2、J1とあがって行こうと思っているのなら、
JFLも勝てるチームを作らなくてはいけないはずだ。
リーグをあがるごとに選手を変えていたら、チームとしての完成度は、常に低いままなのだから。
だから、いい選手を獲得するのにはお金をかけるべきなのだ。
(べき論は好きではないが。。。)
能力のない選手を獲得し、何年も同じリーグにとどまるより、
最初に投資をし、能力のある選手を獲得し、一年ごとに次のリーグにあがっていけるようなチームを作るほうが、
効果は大きくなるはずだ。
今のまま、JFLにあがっても選手を相当数入れ替えなくては勝てなかっただろうから、
松本山雅として、中、長期計画を立て、チーム作りをする必要があると思う。
それを来期、フロントと次期監督にお願いをしたいと思う。
(ちなみに、そういう戦略をとったのが、辛島氏がコーチに就任するFC岐阜だと私は思っている)
来年こそは、JFLに行こう!
そして、再来年は、J2に駆け上がろう!
しかし、エースストライカーも一緒にFC岐阜に連れて行かれてしまうのはつらい。。。
片山選手が活躍してくれれば、うれしいし、
Jで活躍して、彼が引退するときには、山雅もJにいて、山雅でもう一度プレーしてくれればいいなと思う。
がんばれ、ガチャ!!!
追記:
(と書いていて思ったのだが、
結局、サッカーのチーム作りも、一般の企業経営となんら変わらないロジックで動いているような気がする。
お金が絡んでくると、なんでもいっしょということか。。。)