2000年前後のアメリカが舞台。

 数年前にある噂が流れた。

『最強になる薬がある』

と。下世話な質の悪い噂だが、富豪社会と低級階層ではその噂で持ち切りだった。

 

 火のないところに煙はたたない。

 日本の藤間財閥が莫大な資金と時間を費やして作り出した薬は、死をリスクに特別な能力を与えられる可能性があるという。

 製造された薬の数は解っておらず、力を求める人々は水面下で探り合いと争いをしていた。


 そんな状況で自らは関係のない所にいると思っているのが岬という男。

 争いを止めたいとおもいつつも無力さを理解し歯がゆい思いをしている七緒。

 戦争の行方を見守りつつも巻き込まれていくクラウス。


 自分含めファミリーを強くしたいと考え薬を探している侃。

 侃の命令のまま動くアリサとシャルロット。

岬 ミサキ

20歳以上 172cm 60kg

一人称 僕 二人称 お宅


明るく人懐っこい性格。誰にでも優しくあるが為に八方美人かつ笑顔通常装備。

倫理感が欠けており、時折人でなしになる。


好き:料理、音楽鑑賞、博打

嫌い:掃除、子供


藤間 七緒 トウマ ナナオ

18歳 160cm 49kg

一人称 私 二人称 あんた


藤間財閥の一人娘。とある事件以来岬のもとに居る。

愛想がなく、物言いは乱暴

家事担当

岬の事は慕っているが心配でもある

好き:掃除、読書

嫌い:だらしない人

Klaus Boxberg クラウス ボクスベルク

29歳 184cm 75kg

一人称 俺 二人称 お前


刑事。岬とは旧知の仲。

面倒見がいいが、バツイチ。幼い娘を事故で亡くし離婚。

岬を見守りつつも監視をしている。

貧乏くじひいてるひと。


好き:昼寝

嫌い:結婚


【侃家】

侃 允景(いんけい) カン ユンジン
27歳 180cm 70kg

一人称 俺 二人称 貴様

冷徹非道なマフィアのボス。綺麗なモノが好き。

心を許した相手にだけ時々優しい。

藤間財閥の作った薬を手に入れたい。


好き:綺麗なモノ、酒

嫌い:汚いモノ


Alisa アリサ

16歳 165cm 48kg

一人称 私 二人称 あなた


ロシア人。侃に心酔している。実はM

七緒とは犬猿の仲

岬に関心がある。

自己主張をあまりしない。武術は侃直伝


好き:侃、服従

嫌い:平等


Charlotte シャルロット

13歳 146cm 40kg

一人称 私 二人称 あんた


フランス人

天真爛漫。アリサに負けず侃好き。

彼女よりも愛情表現が熱烈。

無邪気故に容赦がない。


好き:甘いもの、可愛いもの

嫌い:可愛くない物、犬

『シェアハウスプロジェクト』

「ってなぁに?」

 金髪ロン毛の少女は、何やら難しい言葉の並んだ書類を眺めて、解説を求める。長身で金髪の、目元の隠れた青年がため息を吐く。

「おま・・・自分がどうなって、こんな場所に居るのか解ってねぇのか?」

少女、シルヴィはベッドに腰掛けたまま足をぱたぱたと揺らす。

「だって、私は「殺してくれる程愛してもらえる」って聞いて来たんだもん。なのに、皆私以外を殺してさ。約束と違うの!!」

青年、クロードはシルヴィの隣に腰掛けて髪をくしゃりと撫でる。

「お前はいいんだよ。ちゃんと俺が殺してやるから。お前が死にたくないって思えたら、殺してやる」

「えー。それなんかチガウ」

シルヴィは拗ねて見せるものの、口元はどうも緩んでしまう。

 元来。シェアハウスプロジェクトと言われるものは、犯罪者の思考、行動を観察し、データ化し、社会の犯罪者予備軍の早期発見、更生の為に役立てるというもの。の筈だった。

「でも、おかしいんスよね。この計画」

 白を基調としたロシア軍のような軍服を着た黒髪の青年が口を開く。

「そもそも、犯罪者の生活パターンを観察したいなら、外と隔離すべきじゃないし、殺したい放題の不死身。なんて美味しい、ありえない世界を作り出したら、何の参考にもならないってのに」

彼の言う事は尤もだった。このプロジェクトによって、数人の犯罪者が一件の屋敷に集められ、そこで殺し合いの日々を送らされている。

 それは社会的に非日常で、データとして何の役にも立たない。

「なぁんか、別の意図を感じちゃうっていうか」

腑に落ちないで悶々と考える彼は紛れもなくそのプロジェクトの発案者や、それを支援する政府側の人間の筈。

「やめとけ。変なこと考えるとオレみたいに左遷させられるぜぇ?」

「いや、あの。先輩の場合は自ら望んでの事でしょう」

クロードは青年に忠告したつもりが窘められてしまう。

「でもなぁタタラ。お前はちょっと真面目すぎるんだよぉ」

「先輩は不真面目でしたよねぇ。現場は荒らすし、犯人殺すし」

思い出したのか、青年タタラはため息をつく。

 それでも、彼はクロードと同じ職場で働けた事を誇りに思っているし、今は拘束衣を着て、犯罪者になった彼を、尊敬している。

 短命でも不死身になって。彼は楽しそうだ。

「まぁ、お前は外から、俺は内側から探ろうやぁ」

 彼は待っている。

 「あの男」のやる気のない、生気の無い瞳が情念で赤黒く色づくのを。

シェアハウスプロジェクト。

 この屋敷に集められた犯罪者達は、少なからず狂っている。