京都発着ではない大昔の下り急行「あさしお」

この記事では「あさしお」は1996年(平成 8年)に「きのさき」に統合された特急あさしおではない。それよりもおよそ30年昔の「ヨン・サン・トオ」、すなわち1968年(昭和43年)10月のダイヤ改正により廃止となった、金沢⇔米子・出雲市・大社急行あさしおについて記述している。なお本記事では西方向に進む、下りについて述べている。(上り列車も存在したが、記事としては作成していない)

 

急行「大社(たいしゃ)」との併結、進行方向転換

このダイヤで下りの「あさしお」2401D「大社」401Dはともに午前9時丁度、それぞれ金沢駅と名古屋駅から同時に発車する。「あさしお」は北陸本線を長々と辿り金沢・小松・粟津・動橋・大聖寺・金津(現・芦原温泉)・福井・鯖江・武生に、「大社」は東海道本線と北陸本線経由で名古屋・尾張一宮・岐阜・大垣・米原・長浜と止まる。続いての停車駅はともに敦賀。大社が11:01、あさしおが11:03に敦賀に着くと両列車は連結して11:15に敦賀駅を発つ。停車時間が長いが、これはあさしお号の進行方向が変わる影響もあるだろう。

 

若狭湾沿いを眺めたらまたも方向転換

「あさしお・大社」になった気動車は小浜線に入線すると美浜・三方・小浜・若狭高浜・東舞鶴・西舞鶴駅の順に停車。ここから舞鶴線と宮津線が分かれるが、この車は宮津線に乗っていく。宮津・天橋立・峰山・豊岡と止まって、進行方向はまたも逆方向になる。豊岡で山陰本線に入ると城崎・香住・浜坂・岩見・鳥取・浜村・松崎・上井(現・倉吉)・浦安・米子と止まる。

 

あとは急行「大社(たいしゃ)」の独走区間、出雲市で種別変更

米子で3分停車の間、「あさしお」が切り離されると、安来・松江・玉造温泉・宍道の駅に止まって出雲市へと向かう。出雲市からは普通列車となり、山陰本線から離れて今は廃止になった大社線を経由することになる。各駅停車として出雲高松・荒茅、終着駅の大社に20:34に止まることで9時間34分の旅は終わりとなる。