どんな仕事でも大切なことは集中力。
それは時計師にとっても例外ではない。
基本的に時計師は孤独な職業である。
だれも好きこのんでそうなっているわけではないし、
個人でアトリエを持っている人でなければ
もちろん職場に同僚がいるわけである。
けれども、時計にたいして妥協してしまうのも、こだわってみるのも自分次第。
特に、私の所属するような「時計メーカー」ではそれぞれ品質基準というものが
きちんと設定されているから、いい加減なことは絶対にできない。
あくまでも自分の目を信じて作業をしていくのである。
それが、時計師をいわゆる’頑固’と言わせてしまう理由なのかもしれない。
自分以外頼れる人がいない、
自身を持って時計に触れていかなければならない。
経験を積み上げていくことで自信も自ずとついてくるもので、
また、仕上げの精度、スピードなども比例するように上がっていくものだ。
(仕事をはじめて数年の私が言うのもアレだが、、、。)
人間、仕事が上手くいけば楽しい→楽しければノッてくる→
そうなると集中力も増してくる→時間があっという間に過ぎていく。
そんな風になればしめたものだが、同様に、人間が行うことだから
集中力の続かない時だって当然ある。
寝不足、体調、メンタル面。
時計は嘘をつかない。
自分のやったことが形となって目の前に現れるのだ。
集中力を持続させるためには、コンディションを整えることが第一だが、
どうしてもというときは、無理をしないこと。
私の場合は、欠集中力に気がついたら、とにかくいったん机から離れる。
トイレにいったり、飲み物を飲みにいったり、立って体を動かしてみたりする。
聞いているラジオのボリュームをあげる。
多くの同僚もラジオやウォークマンを聞いてリラックスしている。
最近はMP3プレイヤーが主流で、他人の邪魔をせず好きな曲をそっと
聞けるのも嬉しい。
ちなみに日本で売っている「ipod nano・2G」はネットで21800円くらいだったが、
ジュネーヴでは289スイスフラン(約26000円)で売っていた。
そういうのは日本が断然安くて品が豊富。
日本のみなさん、残業もいいですが、行き詰まったら机から離れてください。
単純だけど、それが一番です。