今回の帰国便はベルギーのブリュッセル経由でした。あいにくジュネーブと日本との間には直行便がありません。

 いつもトイレに行くことを考えて通路側で席を確保するので、空港のチェックインカウンターで「通路側をお願いします」と伝えました。「了解です!」と元気に答えたスイス航空の社員さん。しかし、出てきたチケットはしっかり「窓側」でした。ううっ!がっかり…。ま、しょうがない。わざわざチケットを印刷しなおしてもらうほどのことでもないし。

 ジュネーブからブリュッセルまでは約1時間半のフライト。飛行機は飛び立つとまずは南に向かって一直線に高度を上げ、モンブランをはるかに見ながら旋回して今度は北に向かいます。「モンブランおじさーん!いつも美しいですね。また来ますね。さようなら!」と、くっきりと浮かび上がるモンブランにお別れのあいさつをしました。

 白く輝くモンブラン、夕日にばら色に染まるモンブラン、いずれも高く浮かび上がり、神々しいくらい静かで美しくて、大好きなのです。ジュネーブの国連機関で働いている間、「モンブランがきれいに見える日はラッキーデー!」、と心の中で勝手に決めていました。

 やれやれ、早くブリュッセルに着かないかな、と前を向きなおし、ふっと窓の外を見るとなんと!またもや「ブロッケン現象」が!

ブロッケン現象とは太陽の光などが背後から差し込んだときの気象条件が合うと、雲の上に虹の光の輪が浮き上がって見える現象です。私はこれまでに飛行機の上から2度見たことがあり、今回が3度目。しかも、今回の現象は、なんと離陸して空の上に上がってから着陸のため降下して雲の下に降りるまで、ずーっと見え続けたのです。よほど条件が良かったものと思われます。

 虹の輪は、最初ぼんやりとしていましたが、太陽の光と雲の状態により大きく見えたり小さく見えたり、色が強くなったり、時には飛行機の姿がはっきりと中心に映ったりしながら浮かび続け、見飽きないショータイムになりました。私はずーっと夢中で写真を撮っていましたが、他のお客さんたちは皆さん静かだったので、気が付く人は少なかったのかもしれません。

 

 

 チェックインの時、窓側の席のチケットを受け取って「通路側って言ったのに」と思いましたが、通路側に座っていたらこの「雲の上の大気ショー」は見られませんでした。虹色の光はなにかとてもラッキーなことのメッセージのようにも感じられて、ワクワク楽しい1時間でした。

 そういえば、先日ロンドンに行った際には二重の虹の中を飛行する幸運にも巡り合えたので(718日付ブログ)、私にとって飛行機は楽しいことが多いように思います。

 飛行機大好きなウサギ