今日(927日)はフェルネーでの最後の夜。最後の夜はいつもフェルネーの静かな街を一回りしてお別れを告げて帰る準備をします。まだ夏時間で夕方7時でも十分明るいので、まずはGrand rue(グラン・リュー=大通り、なのですが、小さな村なのでほんの100メートルで終わってしまいます)のCafé du Soleil(カフェ・デュ・ソレイユ)で夏にお別れのビールを。

このカフェは、夏はお店を遅くまで開けていて、おもしろいのはお店のお姉さんが店を閉めて帰る際も外のテーブルセットをそのままにしてくれていて、「飲み終わったらグラスをその辺に置いておいて」とごく大雑把に言い残して楽し気に帰っていかれるのです。この辺が、なにかと厳しいスイスと違うところ。きちんとしているけど冷たい国よりも、いいかげんでも優しい国の方が住みやすい、というのが私が数年間両方の国を経験したうえで感じたことです。

さて今晩は何を食べようか。ホテルはアパートメントホテルなのでキッチンもありますが、最後の数日はもう食料や飲み物も買わず、残さないように処分することを心がけて過ごしたので冷蔵庫は空っぽ。

フェルネーは小さな村なのでそういくつもレストランがあるわけではないのですが、いつもにぎわっているのがタイ・ベトナム料理の「Le Bee Mai(ル・ビーマイ)」(41 rue de Meyrin)というお店です。念のため予約の電話を入れて名前を言うと「ああ、マダムうさぎ!日本人の!あなたですね。もちろんテーブルは空いていますよ」と言ってくれました。こういう馴染みのお店があるのが暮らしやすい理由でもあります。

夕焼けが始まり、フェルネーから見えるモンブランもばら色に輝いています。「モンブランおじさん!また来ますね。さようなら」なぜか、私の中ではモンブランは「おじさん」です。

ビーマイではタイのグリーンカレーを注文し、いつもと変わらないおいしさに舌鼓を打ちつついただいて、お店を出たらお別れのお散歩です。

いつものようにヴォルテールおじさんに「おじさん、今回も村にお世話になりました。また来ますね!さようなら」とご挨拶。

ホテルまでの道の、いつものアパートの庭で目を凝らすと、やっぱりいました!かわいいウサギちゃんが。今日は道路にお尻を向けて、丸くなって耳も背中に寝かせて大きな目をパッチリと開いています。暑い頃は長々と寝そべってお腹を冷たい芝生にくっつけていたので、その差に笑ってしまいました。

うちゃ子ちゃん、またね!

しかし、実は2週間後にまた戻ってくるのです…

ヨーロッパと日本を行ったり来たりの生活によろよろのウサギ…寄る年波には勝てませぬ…。