先日学会がありベルギーのブリュッセルを訪れました。何年か前に観光で来たことがあるのですが、今回は学会の合間に会場近くのグラン・プラス(大広場)と呼ばれる、世界遺産に登録された美しい広場を訪れました。

四角い広場を囲む背の高い建物が、それはきれいです。さすが世界遺産!インターネットで調べると、17世紀の商人や職人たちのギルド(組合)が建てたものだそうです。

建立された年の数字が建物に貼り付けてある建物があるのです、1697年とか1698年に建てられたものが目につきます。なんでなのかなあ、と思っていたら、これもインターネット情報ですが、1695年にフランス軍の砲撃を受け、火災にあって木造の建物は燃えてしまったのですが、石造りの建物は生き残ったので、戦後建物を再建する際に石造りにしたそうです。

ギルドの扱う商品や工芸品によって建物の装飾や印が異なりますが、どれもキラキラして、これでもかと飾ってあります。晴れた日の日中だと青空によく映えます。

しかし、やっぱり、というべきか、この広場も宗教改革の時代にはプロテスタント迫害の舞台となり、多くの信者が火あぶりにされたそうです。ヨーロッパでは広場と言うと、市場が立ったりして人が集まる場所なのですが、公開処刑やリンチも行われたところです。中世の暗黒時代には「魔女」の汚名を着せられた人たちが(日本語では「魔女」というので女ばっかりかと思われますが、男性も女性もいました)、こういう広場で公開で拷問を受けたり火あぶりの刑に処せられたりしたのです。

ああ、21世紀に生きていてよかった!

この広場のすぐ近くに、雨の日でも雪の日でも楽しめるパッサージュ、すなわちアーケード街があります。それがもうパリ顔負けの美しさ!中にカフェやレストランもあるので、長い時間滞在するのにもピッタリ。買い物に興味がない男性は美しいカフェでゆっくりされるのも良いでしょう。

パッサージュの名前は「Galeries Royales St-Hubert(ギャルリー ロワイヤル サンチュベール)」。広くて天井も高い美しいパッサージュです。

ベルギーチョコレートのお店がいくつか入っており、安さで勝負しないお土産屋さんもあります。アクセサリー、服、帽子、手袋などの専門店が並び、ウィンドウショッピングをするだけでもとても楽しいところです。アクセサリーでは、私の好きなパリの「Les Nereides」もあります。ここのアクセサリーは、自然の草花にモチーフを取った繊細なデザインのものや左右対称ではないデザインがあったりなど、ちょっと東洋的で、しかもお値段もそれほど高くなく、手が届く範囲で、見た目も安っぽくなくて大好きなのです。

https://www.lesnereides.com/fr/?gclid=EAIaIQobChMI5e7r3_2q3QIVCPlRCh0kAwWrEAAYASAAEgJXOfD_BwE

それにしても驚いたのは、中東の人がとても多いこと。中国からの観光客もものすごい数で、カメラを構えたら中国の人が入らないアングルは無いほどでした。難民らしき人も多く、こんなこともありました。 

パッサージュの外にベルギーチョコレートの有名なお店がカフェをやっていて、外にテーブルセットが出ているのですが、お客さんが支払いを終えて席を立った後、さっとアフリカ系の難民らしき人がテーブルに走り寄り、お客さんが残したパフェを立ったまま、むさぼり食っていました。あららら。周りのお客さんはあっけにとられて呆然と見ていました。

お腹が空いているんだろうな、かわいそうだな、と思うと同時に、日本でこういう場面は見たくない、と思うのはエゴイストでしょうか。同情が足りないでしょうか。移民、難民をもっと受け入れなければ、という意見が日本でよくみられるようになりました。しかし、どういう受け入れ態勢を整えていくのか、よく考えてからじゃないと、簡単には受け入れられないと思います。

またいろいろ考える、ウサギ