植民地支配の特権階級が希望だなんて
スラムと化した地球の何処か、大都市のド真ん中。
そびえ立つ場違いな感満載の、由緒正しき帝国中央美術館。
街を歩けばそこいら中にドブネズミがうろちょろ。
人々はみな貧しく、何かに怯え、大通りの片隅で寄り添って生きている。
当ブログ管理者は旅行者?
異様に立派な美術館とやらへ向かってズカズカと歩いている。
やがて、全体がグレーの素っ気ない門に到着。
異様なのは、広大な敷地全体を囲む高さ5メートルの壁。
電流が走る有刺鉄線が張り巡らされている。
まるで刑務所じゃないの・・・。
古代ローマ時代のような、50メートル間隔の見張りの塔、銃を持った警備兵が潜むともっぱらの噂。
世界中の古代遺跡から盗んだお宝、金銀財宝はもちろん、これまで数十人の所有者の命を奪った呪いのダイヤモンドが展示の目玉。
名立たる芸術家の作品の大半は盗品。
とはいえ、現存する芸術作品を見れるのは、ここか、あと2、3ヶ所に限られる。
悪評プンプンだが、世界中からマニア(盗品好き)がやってくる。
入り口で身分証を見せ、結構高額な入場料を支払う。
だが、展示館までの道のりは、そこから2キロも先。
いったい誰を監視して、誰を守りたいのか?
美術館に相応しい庭園と思いきや、手入れはされず、荒れ放題。
噴水は何年もとまったままで、庭木や草花は雑草に埋もれている。
出入りの自由が保障された若者なのか、あちらこちらで屯している。
まるで何処かの大学のキャンパス。
国際的に有名な美術専門学芸員だった人物を見かけた。
ほうきを手にこちらに背を向ける。
彼は清掃用務員?
どうりで通路だけは清掃され、草も刈られている。
エントランスロビーのあちらこちらにあるベンチ。
陣取る若者たちは我が物顔。
なぜか、みな育ちの良い顔つきをしている。
周囲に気を使う様子も無く、ゲラゲラと大声で笑い、延々とおしゃべりに興じる。
さすがに不快になる。
ま、若者は何処も同じと気に留めず、その先へ。
大きな扉を抜ければ、いよいよ美術品とご対面、と思いきや、何とそこはさらに多くの若者たち・・・。
そばにいた若者に尋ねる。
「おいおい、作品を鑑賞しに来たというのに、これはどうなっているのかね?」
彼は言う。
「大丈夫だよ、そこに見える入り口の先にエレベーターホールがあるよ。
そこに仲間がいるから、彼に聞いてみるといいよ。
きっと、入り方を教えてくれるさ・・・。」
と、言って、ほくそ笑む。
ふと振り向けば、入場客は10名ほど。
みな不安げに辺りを見回している。
先頭を切ってエレベーターホールに入るやいなや、1人の若者が近寄ってきた。
エレベーターは2つ。
それぞれ止まる階数が違うらしい。
どっちへ行くかはその若者次第。
「えっ、何それ?」
コッチはちゃんと入場料を払っているというのに。
一向に話が見えない・・・?
若者たちは、入場者を取り囲みインタビュー、学歴や職業を聞いている。
当ブログ管理者は正直に回答。
無職、短大中退なので高卒。
若者は途端に興味を失ったらしく、あっさり無視され後回し。
後ろからきた恰幅の良い初老のオジサンが背中を押され、真っ先にエレベーターに押し込まれた。
1人の客に若者数人が同行する。
1人、また1人、エレベーターに乗り込んで、その度に若者が同乗する。
みな、カジュアルな服を着て、歳の頃は17歳から20歳くらい。
数は少ないが女子もいる。
たまりかねて改めて若者に聞く。
「君らは何者?」
かなりハイプライドな上から目線。
聞けば、現役エリート大学生。
1人のクソナマイキな男子学生が改めて同じ質問。
学歴と職業。
また、正直に応えると、じゃ、金は持っている?
「そりゃ、おカネがないと旅行もできないからね。」
彼はしばし値踏みをするようにこちらを見ていたが、決心したようにこう言った。
分かった、僕が案内するよ。
「おいおい、案内は要らないよ。
好き勝手に見たいに決まっているじゃないか?」
「いやいや、それはできない。
これはここのルールだ。
ルールを決めるのは僕たちだ。」
な、なんと、ここでまさかの・・・排除の論理?
こざかしい。
まるで緑の狸と同じじゃないか。
このお話の元ネタになった夢は一端ここで終わった。
全く不愉快な話だが、しばし、彼らにつきあった。
彼らの親は20世紀の支配層。
つまり朝鮮代理勢力とか(カバールマフィアとか)の四代目、五代目・・・?
世の中が急激に様変わりする中で、お歴々は逮捕されたり、粛清されたり、大混乱のドタバタ状態。
預金は没収。
家や財産も没収。
このままでは一文無し・・・。
彼らは植民地支配の専門裏知識を総動員して、公共であるはずの国立美術館や博物館に残る(お宝の)塩漬けを試みた。
公共の財産、大義としては誰も手を出せない。
しかし、そこに抜け道を用意。
特定の大学に限り、彼らの子息がお宝を独り占めにできる小細工。
事実上のホステージ(乗っ取り)だが、それを公にせず、入場客を騙して小銭を稼ぐ悪辣。
やはり、彼らの悪知恵は公共の搾取でしか成り立たない。
親世代は実際に植民地支配で同じことをし、子世代はさらにイジマしいコソ泥稼業。
早い話が、ガイド料をぼったくり、美術品を格安で勝手に切り売りしている。
夢の中で、当ブログ管理者は彼らに質問した。
「大学を出て、ここを出たあとどうするんだ?」
「そりゃ、何処かに就職するさ。」
いやいや、今時君らのハイプライドに叶う勤務先はそう滅多にあるもんじゃない。
現に君らのご両親はどうなった?
奴隷制度の監視役なんて、今じゃ誰も相手にしない。
カエルの子はカエルというけれど、排除の論理で一時しのぎ?
こんなインチキは続かない。
もし、癇癪をおこして暴力を振るった時点で特権剥奪。
ぬるま湯生活はおじゃん。
彼らもそれは熟知している。
だから、法律をねじ曲げてでも・・・。
それは無理。
世界はそれと違う仕組みで動き出している。
君らを受け入れる世の中の組織のほうがどんどん様変わりしている。
ここを一歩出れば、きみらにとっては苦しい世界が待っている。
だが、同時に希望は外の世界にしかない。
植民地支配の特権階級が希望だなんて、こんな悪い冗談はない。
ホンモノの希望は「排除」も「サラサラ」もない。
正真正銘希望の世界。
すると若者が質問した。
「オジサンは学歴もなく、今無職なんだよね。
じゃ、これから先、どうやって生きていくの?」
「金もない、コネもない、僕らのような特権もない、忖度する相手すらいない。」
痛い所を突かれた、今度は本当に目が覚めた・・・。w
・・・
Mind of the Earth Batangas
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