ケ・ブランリー美術館 @Paris by 山中コ〜ジ | GENETO

ケ・ブランリー美術館 @Paris by 山中コ〜ジ

$GENETO-ケ・ブランリー美術館

フランス人建築家 ジャン・ヌーベルにより設計され2006年に竣工したケ・ブランリー美術館です。
この美術館も「グラン・プロジェ」のひとつでした。
ケ・ブランリー美術館はアジア、オセアニア、アフリカ、アメリカの原始文明にスポットライトをあてた新しいタイプの国立美術館です。
原始の森に囲まれた美術館ということで、建築の存在を樹木によって極力打ち消したイメージで描かれていました。
その様なイメージを持つ建築は隈研吾氏 著書「負ける建築」などでも語られている様に、如何に建築の存在を消すことができるかという、一般的には絶対的な矛盾を孕みそうなテーマを持っています。
そんな事から、ジャン・ヌーベルは一体どのような建築を作ったのか期待されました。

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彼の作品を始めて見たのは汐留にある電通本社ビルでした。
世界的に有名な建築家の作品ということで見学したのですが、期待とは裏腹に全く感動もない建築でした。
それ以降、全く興味が無くなったジャン・ヌーベルの作品ですが、今年の1月に出張したロンドンで見たONE NEW CHANGEで印象が大きく変わりました。
ある種、都市に対して暴力的なまでに大きなスケールで存在させている。
しかも多角形に構成された建築を、硝子で覆い輪郭をボカしているという手法は絶妙だと感じさせられました。

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(セーヌ川岸より道路との境界となるファサード)
この建築は森も含めて上手くいっていないと感じました。
敷地の残余を樹木(森)で覆っているとはいうものの、樹木と建築がどうみても乖離している状態になっています。
樹木から見えるのは、隠れようとはおおよそしていない、厳めしい表情を持った刺々しい建築。
そして、樹木群がばらまかれた状態で、間を通る人の通路も大雑把な扱いで、空間体験として不自然なものでした。
この樹木しかり、自然に対する考え方は日本人と全く違うので、樹木を使うと言うひとつのテーマ性を持ってはいるものの、アングロサクソンが見ている自然への眼差しが何となく理解出来る様な建築でした。

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