共感力と弱さを「武器」に変え、戦略で覇者になる
「女性はいつもやさしく、穏やかで、かわいらしく」 そんな呪いのような刷り込みの中で、私たちは生きてきた。 さらに、コンプラ重視のこのご時世、「怒る=自己管理ができないダメな人」というレッテルを恐れ、常に「いい人」の仮面を被り、アンガーマネジメントに励む毎日。
リーダー論を開けば「Authentic(真正性)であれ」「Vulnerability(弱さ)を見せて信頼を築け」と説かれる。真面目なあなたは、それらを忠実に実践してきたはずだ。部下の愚痴に寄り添い、自分の弱みもオープンにし、誠実であろうと努めてきた。
その結果、どうなったか? ――すっかり、疲れ果ててしまってはいないだろうか?
なぜ、こんなに疲れるのか。 それは、あなたの貴重なエネルギーが、他人の感情によって「搾取」されているからだ。誠実であろうとすればするほど、無防備なあなたの内側はさらけ出され、あろうことか周囲に「舐められる」という隙を与えてしまう。
もし、あなたが「共感力が高く、人の気持ちが分かりすぎる」タイプなら、事態はより深刻だ。相手の負の感情を追体験し、自分の感情リソースを他人のために使い果たしてしまう。これはもはや「優しさ」ではなく、感情の奴隷状態と言ってもいい。
そんな「いい人疲れ」の泥沼を抜け出すための鍵。それが「ブラック・マインドフルネス」だ。
この概念のヒントは、元LAPD捜査官でシークレット・エージェントのエヴィ・プンプラスや、権力の哲学者ロバート・グリーンが説く「力の戦略」にある。彼らは、ソシオパスやナルシシストといった「感情の捕食者」たちと渡り合ってきたプロだ。
彼らに共通する教えは、驚くほどダイレクトである。 「感情が湧き上がるのは、人間という動物の本能。だが、それを即座に行動に繋げてはいけない。感情は、単なる情報収集の『センサー』として使え」
つまり、自分は自分の感情のマスター(主人)であり、感情を「投資し、駆使するリソース」として戦略的に選ぶべきだということだ。これが「ブラック・マインドフルネス」の神髄。
世界的ベストセラー
の著者、ロバート・グリーンの視点から見れば、私たちが信じてきた「正解」は、戦略的には致命的な間違いだらけだったことに気づかされる。1. 「正直さ」は、時に無防備な弱点となる 法則曰く、「意図は隠せ」。馬鹿正直にすべてをさらけ出すのは、相手に自分を攻撃するための武器を無償で提供しているのと同じだ。
2. 「弱さ」は、見せるものではなく「操る」もの 弱さを見せるのが嘘ではない。だが、それは無防備に垂れ流すものではなく、「このタイミングで、この相手に見せることで、どう場を動かせるか?」という計算の上で繰り出す、極めて高度な戦略的カードなのである。
3. 「共感」は、寄り添うためではなく「観察」のために 相手の痛みに浸り、自分の感情とメンタルヘルスを 消耗させてはいけない。共感力という高感度レーダーを使い、「なぜこの人は今こう言っているのか?」「この発言の裏にある意図は何か?」を冷徹に分析し、場を支配するための判断材料にするのだ。
こう書くと、「なんて冷酷な考え方だ」と抵抗を感じるかもしれない。 しかし、これこそが日本という「和を尊ぶ(=同調圧力が強い)」社会で、自分という個を殺さずに生き抜くために貴方がが今すぐにでも実施すべき考え方の変革なのだ。
この「ブラック・マインドフルネス」を習得することは、あなたが悪い人間になることではない。 むしろ、無防備な自分を卒業し、プロフェッショナルとして正しく自分を「Calibrate(再調整)」すること。世の中に存在する「感情の搾取者」から自分を守り、同時に自分が望む結果を手に入れるための、至極真っ当な生存戦略だ。
「いい人」の皮を脱ぎ捨て、自分の感情の手綱を握りしめよう。 共感力は、他人に差し出すための生贄ではない。あなたが場を支配するための、最強の武器。
今日も私は、鏡の中の自分にこう言い聞かせて戦場へ向かう。
「私は、私の感情のマスターである。そして今日、私は場を支配する」
