この記事のポイント:
· 糖=グルコースの摂取を制限すると、脳と身体がハッキングされ、栄養源を糖から脂肪へと変えられる
· 脂肪が栄養源になるとケトーシスが発生し、体の脂肪を燃やす様になり、体脂肪が減って体がすっきりする
· ケトーシスで維持される体になると、シュガーハイなどの糖や炭水化物への中毒が無くなり、低血糖時のイライラが無くなり、脳が明晰になり、感情が安定して作業効率が上がる
· このような食事法などで「ゾーン」に入り、脳と身体の効率を上げるやり方がシリコンバレーやデジタルノマド層で流行っており、それは仏教やヒンドゥー教などで目指してきた「悟り」や「覚醒」と同じものだが、科学的に裏付けされている
シリコンバレーの経営者の方々から発信され、デジタルノマドとか、ハッカー系の人々の間で「効率性ハッキング」ってご存じでしょうか?食生活や、日常の習慣などを駆使して、脳と体を「ハッキング」して効率性を上げる、というもの。
ケトン式は、「糖=グルコース」の摂取を減らすことを通じて、体を「ゾーン」に持っていく、つまりスーパーサイヤ人みたいな覚醒が起きて、仕事効率が爆上がり、みたいなことです。
特に食生活は生化学的に脳と体の中の成分を変えていくので、かなり効果的な事もあり、私も断食からケトン式ダイエットまで、いろいろ試してきましたが、個人的に一番効果があるなと感じ継続しているのがケトン式。
ケトン式がニュースになり始めたのは2017年ごろですから、だいぶ長いこと流行っていますね。
米TV放送局ABCが、シリコンバレーの経営者たちが、「ケトン式ダイエットで身体をハッキングして効率を上げようとしている」という特集を組んだ記事がこちら。
ケトン式ダイエットでは、グルコースに分解されるすべての成分、すなわち炭水化物、糖分の多い根菜、糖分などの摂取を大幅に制限し、1日のカロリー摂取量のわずか5%か、一食30~40グラムに収めるようにするもの。
炭水化物も基本的には「糖」です。体はご飯やパンをブドウ糖=グルコースに変換。膵臓はインスリンを分泌し、細胞はブドウ糖をエネルギーとして取り込みます。インスリンは、燃えていないブドウ糖を脂肪に変換して貯蔵します。
ケトン式は、この流れを画期的に変えます。
摂取カロリーの大部分(75%)は健康な脂肪(オリーブオイル、ココナッツオイル、バター、動物性脂肪など)から摂取し、残りの20%はタンパク質、土より上に育っている葉物野菜やナッツなどから摂取します。
もともと、このケトン式ダイエットは、1920~30年代に米国で、子どものてんかんに対する治療法の一貫として医療現場で活用されはじめました。厳密には因果関係は解明されていないものの、「とにかく効果がある」として長年採用する患者が多かったのです。
また、糖尿病にも、糖の摂取を制限することから、効果があり、ハル・ベリーなどの有名人も糖尿病対策として長らく採用していることが知られています。また、がん細胞は、増殖するための栄養源を糖とすることから、がんサバイバーの方が採用しているケースも多い。最近では、パーキンソン病、アルツハイマー病、ALS、さらには自閉症の治療法としても有力な選択肢として注目されています。
私は、実は2年前にごくごく小さなガンが見つかり、幸いにしてステージゼロで発見されたことから切除し寛解したこともあり、ケトン式の採用は理に適っていました。
私はもともと、血液中の血糖値が急に上がって下がりやすいという体質です。そういう人は、糖依存に陥りやすい。甘いものを食べ、一気に血糖値が上がると満足し、ドーパミンが出てハッピーになるものの、すぐに下がるのでまたすぐ甘いものを欲してしまう。すると、体が消費できる以上の糖を接種してしまい、太ってしまう。また、血糖値が下がるとイライラしやすくなってしまいます。いわゆる砂糖中毒です。
炭水化物も、分解するとグルコース=糖になるので、結局は糖と同じなので、同じ原理で中毒になりやすい。
炭水化物や、糖分の多いさつまいも、にんじん、ごぼうなどの根菜類や糖を多く取っている限り、このグルコース中毒に体も脳も感情も振り回され続けます。
私にとって、ケトン式ダイエット(食事法)の最大のメリットは、
このグルコースに支配された日常からの脱却でした。
ええ、尾崎豊もびっくりですよ...。
個人的な効果としては下記の点が挙げられます;
<マインド面>
· 炭水化物や糖への渇望から解放されることで、感情が落ち着くようになる
· 脳がすっきりしたような感覚がある
· 特に甘いものなどを食べなくても、知的作業に集中することができる。気分のムラ、アップダウンが無くなるため、継続して仕事をする時間が長くなる。
· 脂肪から先に減っていくので、自分の体に対する満足度が増す
· 意志力の強化→自分の意志で体が変わったという大きな実感があるので、意志の力で本能的な欲求に打ち勝った、体の本能自体を変えることができたという経験則を手にすることで、色々なことに自信を持てるようになる
<身体面>
· グルテンを一切摂取しないので、グルテン由来のアレルギー症状である、体のむくみや炎症が無くなる
· 体が軽く感じる、全体的に体調がいい
· スポーツのパフォーマンスが上がる。筋肉を残して体重が落ちるので、筋肉を感じやすく、細かい動きができるようになる
· 空腹感を感じなくなる→もちろん、お腹は鳴ったりしますが「飢餓感」を感じなくなります。理由は、「脂肪」が主たる栄養源であるため、対外から摂取した脂肪が無くなっても、体に脂肪の蓄えがある状態では、脳が「飢餓状態ではない」と感じるため、とされています。
· 感覚器官が鋭敏になる→ケトン式を始めてから、食べ物の「触感・食感」にとても敏感になりました。特に「モロモロ」として食感が以前よりも敏感に感じられ、大きな快感を覚え、満足感が増すようになりました。
· タンパク質の方が腹持ちがいいので、空腹を感じにくくなり、食事の回数が減って、時間的にも経済的にも余裕ができる
他には、ネットを調べると下記のような意見があります:
· 集中力と精神的な明晰さ―フルHD画面を通して世界を観察しているような感じ。→こういった効果があるため、海軍特殊部隊(SEALs)でも活用されていると言われています。
· デトックスーケトン式では、通常の食事に含まれるさまざまな毒素を除去。たとえば、小麦などの多くの穀物にはグルテンが含まれており、グルテンには多量のグルタミン酸が含まれています。グルタミン酸は興奮毒素です。つまり、脳細胞を過度に興奮させ、破壊または損傷させる結果として脳の曇り=ブレインフォッグが生じます。
米海軍シールズも実践している身体・脳内ハックによるダイエット法で、効率がアップした、となるとやってみたくありませんか?
上記にも少し書きましたが、感覚器官が鋭敏・敏感になることも、非常に面白いです。食べ物の「食感・触感」のみならず、嗅覚も鋭敏になるので、私は急に香水熱が高まりました。以前は糖で得られていた満足が、食感や嗅覚によって替えられるようになったのです。
チベット仏教の高僧が深い瞑想状態に入っている時は
「針が落ちた音でさえ聞こえる」
ほどに五感が研ぎ澄まされる、と言われたりします。
デジタルノマドやシリコンバレーのエンジニアの間で流行っている「効率ハック」と呼ばれる食べ方や、運動を通した「脳内ハック」や「身体ハック」は、こういった状態を目指すためのものです。
もともと、シリコンバレーはヒッピー文化が花開いたサンフランシスコのおひざ元ですから、瞑想やヨガ、仏教の熱狂的なファンの多い地域です。カリフォルニア州立大学バークレー校やスタンフォードでは、最先端の生化学、生体認知科学の分野で瞑想中のチベット仏教の高僧などの脳の状態=「変性意識状態」(altered state of mind)の研究が60年代から盛んです。人間の体において、思考や感情の状態がどのようにホルモンなどの化学的物質によって補足できるのか、コントロールされているのかに関するデータ蓄積も豊富。ケトン式や、断食等が脳と体に与える状態にも長年の研究蓄積があり、きちんとした科学的根拠に基づいて推奨されているわけです。
ヒンドゥー教も、ジャイナ教も、仏教も、すべて修行を通じて精神的な成長や啓示を得ることを目指しますが、この修行には食べ物の修行も含まれますよね。そこには実は科学的裏付けがあったのです。
ただ「ご飯が大好き」という方には、やはりハードルが高いかもしれません。私はもともとご飯はあまり食べないものの、それでも
マーボー豆腐にはご飯が欲しくなっちゃいますね。
そういう時にお勧めなのが「カリフラワーライス」。特にこのLifeの冷凍カリフラワーライスは、もろもろとした触感が特にご飯っぽくて、お漬物やイカの塩辛もめちゃくちゃ合います。これさえあれば、あまりケトン式になってご飯を諦めたという感じもなく、ケトン式ダイエット=食事法を実践できます。
たくさん食べて満足感もあるのに、脂肪から先に落ちていくダイエット法=ケトン式、最強です。

