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大阪で活動する「劇団うてな」の秘密警備員(笑)の日常。

 先日、久しぶりに稽古に顔を出した時、「観客動員500人を超える方法」という稽古場独自のイベント(というかゼミ)のチラシが入っていた。
 その内容を見た時、職業病が首をもたげた。
 決してこのゼミを批判するつもりはない。しかし…
 「観客が多いのはいいことだが、何かトラブルがあったときどう対処するのか?」
 仮に観客動員数が500人を超えたとして、大体1公演3ステージが相場と考えて、単純計算で1ステージあたりの観客動員数は約170名。
 その中で、些細なトラブル(忘れ物・落し物等)から大きなトラブル(雑踏事故・急病人・火災・自然災害)に対応する準備はできているのだろうか?
 メジャーな劇団なら当然そのあたりの対応は織り込み済みだろうし、大きな劇場であれば劇団が考えるまでもない事柄かもしれない。
 そうであったとしても、初期対応から劇場管理者(さらには警察・消防)に状況を引き渡すまでは劇団が行わなければならない。
 そういった「心構え」が劇団側にあるのか?
 私自身「劇場警護は不要」と言われたこともある。(この経緯は色々複雑な事情が絡み合っているので省略させていただきます)
 しかし、当該劇団は出演者が負傷したり、観客動員数に見合わない(狭すぎる)劇場で公演を打ったり、保安担当として背筋の凍る思いを何度もしてきたので、正直去って正解だったと思っている。
 実際そこまできっちり考慮している劇団は1つしか見たことがない。
 また、警察はともかく、消防が劇場を見たとき顔面蒼白になるであろう劇場はたくさんある。事実、私から「これ消防に見つかったら指摘されますよ」と劇場管理者に進言したこともある。
  また、劇団や劇場の規模によっては自分たちで警察・消防に状況を引き渡すまでの全てを行わなければならない場合もある。
 繰り返しになるが、そういった「心構え」が劇団側にあるのか?
 
ここからは、私自身の私見になるが、
 面白い芝居を見せて、観客動員数もそこそこあって、その上で観客に(防災・防犯上)安心して観てもらえる公演を目指すべきではなかろうか。
 そんなことが頭をよぎった。

 若干宣伝モード(笑)
 「公演を安全に運営するための講義」なら頼まれれば、日程が合えばやりますよ。
 でも、元警備のプロとしてお金は取りますが。