これは数年前の夏の事ですが、あわや殺人事件と疑われる事案に遭遇し、警察に通報した出来事がありました
本日は、その事について書かせて頂きたいと思います
当時、会社の付近に満足なマンションが見つからなかった私は、止むなくレオパレス21に住んでおりました
通勤のアクセスや周辺環境の良さに加え、新築物件にも拘わらず月六万円という家賃の破格の安さも気に入って、二回下見をしただけで即決に近い形で入居したのです


どうせ次が見つかるまでの繋ぎのつもりでしたから、幾分慎重さに欠けた面はあったかも知れません
所が此処には下見の段階では判らない、とんでもない欠陥がありました
とにかく異常なほど防音性が悪かったのです。
隣人の話し声や鼾がまる聞こえですし、深夜にはエアコンのリモコンを操作する「ピッ」という音まで聞こえてくるのです
音楽等かけようものなら筒抜けですから、ヘッドフォンは手放せませんでした
全体がそういう造りだった様で、特にマナーの悪い住人の部屋からでなくても、生活音が四方から聞こえてくるのです
此処の壁は、壁というより襖の様な代物だったのです
おそらく単なるパーテーションの様な、安物の素材を使っていたのでしょう
然し、どういう訳かテレビの音だけは漏れている様子がなかったのが、今考えても不思議です
此処の住人は皆さん若い方々で、週末ともなれば友人や恋人等を呼んで騒いだりしておりました
騒ぐと言っても、一般的に見れば決して目くじらを立てるレベルではないのですが、前述の如く防音性等無きに等しい有様のアパートでは結構耳につくものです
特に目立つと言うか、耳につくカップルがおり、二人は土曜の深夜になると決まって痴話喧嘩を始めて怒鳴り合っていました

2階に住んでいるらしい事だけは判りましたが、これほど防音性が悪い所ですと、音の発生源を特定するのは逆に困難になるのです
痴話喧嘩にしても、内容こそ判別し難かったものの、声のトーンに至るまではっきりと聞き取る事が出来ました

そして、土曜日がやって来ました。
深夜になると、またまた例によって喧嘩を始めたらしい件のカップルの怒鳴り合いが聞こえて来ました

私は
「うるさいなぁ、だけどいつもの事だ」
と眠りに就こうとしていました
その時
「ギャーーッ
」
という魂切る悲鳴が聞こえてきたのです
それから一拍おいて、また
「誰か助けてーーッ
」
と只ならぬ絶叫が響き渡ったのです
不気味な事に、それから急に言い争う声は聞こえなくなりました
と言う事は喧嘩は終わった事になりますが、状況から考えて、普通に仲直りしたとは到底思えません
何より、言い争う声が突然止んだのは、あまりにも不自然です
眠気等吹っ飛んだ事は言うまでもありません
最悪の事態を想定した私はすぐに部屋を飛び出し、2階の様子を確認しながら警察に通報致しました

そして応対した警官の
「その状況では貴方にも危険が及ぶ可能性がありますから、すぐ部屋に戻って下さい。
速やかにパトカーを急行させますから」
との指示に従って、部屋に戻って待機していたのです
ものの三分もしない内に警官が到着しました。
三台のパトカーに分乗した六名という大人数です
彼等は私に
「どの部屋から聞こえてきたか判りますか?」
と尋ねましたが、そんなもの判る筈がありません
前述の通り、防音性が悪過ぎると四方八方から生活音が聞こえてくる為、音の発生源を特定出来ないのです
事情を説明すると、何と彼等は
「う~ん、然し時間が時間ですからね。
全部の部屋を調べる訳にはいかないんですよ」
と言うのです
私が
「確かにそれは判りますが、最悪の場合、今この瞬間にも女性が命を落としかけているのかも知れないのです!
どうか調べて下さい!」
と頼み込んだ所、了承してくれた彼等は直ちに2階に駆け上がって行きました





それにしても、あの言い草は何だ
警察官たる者、市民が危険に曝されている可能性がある時は、ドアぶち破って中に飛び込むべきじゃないのか
間違いだったら後で謝り倒せば良いだけじゃないか
そんな事を考えていますと、検分を終えた警官が結果を報告しに来てくれました
女性の方は、喧嘩の後すぐタクシーで帰宅したそうです。
彼女に連絡がとれたので、何か暴力行為の被害を受けなかったか問い質した所
「その様な事はありませんでした」
との答が返って来たそうです
然し、そんな事は絶対に有り得ません
あの悲鳴には、生命の危機に直面した者だけにしか出す事の不可能な、只ならぬ等という言葉では生温い、純粋且つ原初的な恐怖に満ちた響きがありました

警官達も
「おそらく貴方の言う通りでしょう。
女性の方が男を庇っていると思われます。
然し我々としては、証拠も何もない今の段階で、彼を連行する事は出来ないのです」
と言うのですが、確かに言われてみればその通りです
「男には、厳重に注意しておきましたよ」
とも言ってくれました
志賀勝氏そっくりの風貌をした警官でしたから、男の方もさぞビビッた事でしょう

これで一先ず一件落着、彼等は引き上げて行ったのです

さて、それからは件のカップルが喧嘩する声はピタリと聞こえて来なくなりました

どうやら女性の方が男に愛想を尽かした様です。
然し、結局その方がお互いの為にも良かったのではないでしょうか

毎週あの勢いでは、本当に殺人事件にでも発展しかねない恐れがありましたからね
間もなく私はそこを引き払いました。
この事が原因ではなく、生活音に気を遣いながらの暮らしに、ほとほと嫌気がさしたからです

周りの音が聞こえるという事は、当然こちらの音も周りに聞こえている訳です
本来最も寛げる場である筈の家で、そんな事に神経を遣いながら生活していくのは大変なストレスになりました
そして現在暮らしているマンションに転居して来たという訳です
尤も此処では、昨年11月に空き巣に遭ってしまいましたが

皆さんも、あわや凶悪事件と思われる様な事案に遭遇した経験はございませんか
是非教えて頂きたいものです


最後に
女性に暴力を振るう男どもよ
明らかに自分より弱い者に手を上げるなど、男のする事ではない
貴様らには男としての基本的資質というものが欠落しておるのだ
そんな輩が一人前に女性と付き合う資格は無い
それほど人を殴りたければ、ヤクザの事務所に乗り込んでみろ
そこで丹念にボコられて、己の非力さと醜さを思い知るがよいわ



本日は、その事について書かせて頂きたいと思います

当時、会社の付近に満足なマンションが見つからなかった私は、止むなくレオパレス21に住んでおりました

通勤のアクセスや周辺環境の良さに加え、新築物件にも拘わらず月六万円という家賃の破格の安さも気に入って、二回下見をしただけで即決に近い形で入居したのです



どうせ次が見つかるまでの繋ぎのつもりでしたから、幾分慎重さに欠けた面はあったかも知れません

所が此処には下見の段階では判らない、とんでもない欠陥がありました

とにかく異常なほど防音性が悪かったのです。
隣人の話し声や鼾がまる聞こえですし、深夜にはエアコンのリモコンを操作する「ピッ」という音まで聞こえてくるのです

音楽等かけようものなら筒抜けですから、ヘッドフォンは手放せませんでした

全体がそういう造りだった様で、特にマナーの悪い住人の部屋からでなくても、生活音が四方から聞こえてくるのです

此処の壁は、壁というより襖の様な代物だったのです

おそらく単なるパーテーションの様な、安物の素材を使っていたのでしょう

然し、どういう訳かテレビの音だけは漏れている様子がなかったのが、今考えても不思議です

此処の住人は皆さん若い方々で、週末ともなれば友人や恋人等を呼んで騒いだりしておりました

騒ぐと言っても、一般的に見れば決して目くじらを立てるレベルではないのですが、前述の如く防音性等無きに等しい有様のアパートでは結構耳につくものです

特に目立つと言うか、耳につくカップルがおり、二人は土曜の深夜になると決まって痴話喧嘩を始めて怒鳴り合っていました


2階に住んでいるらしい事だけは判りましたが、これほど防音性が悪い所ですと、音の発生源を特定するのは逆に困難になるのです

痴話喧嘩にしても、内容こそ判別し難かったものの、声のトーンに至るまではっきりと聞き取る事が出来ました


そして、土曜日がやって来ました。
深夜になると、またまた例によって喧嘩を始めたらしい件のカップルの怒鳴り合いが聞こえて来ました


私は
「うるさいなぁ、だけどいつもの事だ」
と眠りに就こうとしていました

その時
「ギャーーッ
」という魂切る悲鳴が聞こえてきたのです

それから一拍おいて、また
「誰か助けてーーッ
」と只ならぬ絶叫が響き渡ったのです

不気味な事に、それから急に言い争う声は聞こえなくなりました

と言う事は喧嘩は終わった事になりますが、状況から考えて、普通に仲直りしたとは到底思えません

何より、言い争う声が突然止んだのは、あまりにも不自然です

眠気等吹っ飛んだ事は言うまでもありません

最悪の事態を想定した私はすぐに部屋を飛び出し、2階の様子を確認しながら警察に通報致しました


そして応対した警官の
「その状況では貴方にも危険が及ぶ可能性がありますから、すぐ部屋に戻って下さい。
速やかにパトカーを急行させますから」
との指示に従って、部屋に戻って待機していたのです

ものの三分もしない内に警官が到着しました。
三台のパトカーに分乗した六名という大人数です

彼等は私に
「どの部屋から聞こえてきたか判りますか?」
と尋ねましたが、そんなもの判る筈がありません

前述の通り、防音性が悪過ぎると四方八方から生活音が聞こえてくる為、音の発生源を特定出来ないのです

事情を説明すると、何と彼等は
「う~ん、然し時間が時間ですからね。
全部の部屋を調べる訳にはいかないんですよ」
と言うのです

私が
「確かにそれは判りますが、最悪の場合、今この瞬間にも女性が命を落としかけているのかも知れないのです!
どうか調べて下さい!」
と頼み込んだ所、了承してくれた彼等は直ちに2階に駆け上がって行きました






それにしても、あの言い草は何だ

警察官たる者、市民が危険に曝されている可能性がある時は、ドアぶち破って中に飛び込むべきじゃないのか

間違いだったら後で謝り倒せば良いだけじゃないか

そんな事を考えていますと、検分を終えた警官が結果を報告しに来てくれました

女性の方は、喧嘩の後すぐタクシーで帰宅したそうです。
彼女に連絡がとれたので、何か暴力行為の被害を受けなかったか問い質した所
「その様な事はありませんでした」
との答が返って来たそうです

然し、そんな事は絶対に有り得ません

あの悲鳴には、生命の危機に直面した者だけにしか出す事の不可能な、只ならぬ等という言葉では生温い、純粋且つ原初的な恐怖に満ちた響きがありました


警官達も
「おそらく貴方の言う通りでしょう。
女性の方が男を庇っていると思われます。
然し我々としては、証拠も何もない今の段階で、彼を連行する事は出来ないのです」
と言うのですが、確かに言われてみればその通りです

「男には、厳重に注意しておきましたよ」
とも言ってくれました

志賀勝氏そっくりの風貌をした警官でしたから、男の方もさぞビビッた事でしょう


これで一先ず一件落着、彼等は引き上げて行ったのです


さて、それからは件のカップルが喧嘩する声はピタリと聞こえて来なくなりました


どうやら女性の方が男に愛想を尽かした様です。
然し、結局その方がお互いの為にも良かったのではないでしょうか


毎週あの勢いでは、本当に殺人事件にでも発展しかねない恐れがありましたからね

間もなく私はそこを引き払いました。
この事が原因ではなく、生活音に気を遣いながらの暮らしに、ほとほと嫌気がさしたからです


周りの音が聞こえるという事は、当然こちらの音も周りに聞こえている訳です

本来最も寛げる場である筈の家で、そんな事に神経を遣いながら生活していくのは大変なストレスになりました

そして現在暮らしているマンションに転居して来たという訳です

尤も此処では、昨年11月に空き巣に遭ってしまいましたが


皆さんも、あわや凶悪事件と思われる様な事案に遭遇した経験はございませんか

是非教えて頂きたいものです



最後に
女性に暴力を振るう男どもよ

明らかに自分より弱い者に手を上げるなど、男のする事ではない

貴様らには男としての基本的資質というものが欠落しておるのだ

そんな輩が一人前に女性と付き合う資格は無い

それほど人を殴りたければ、ヤクザの事務所に乗り込んでみろ

そこで丹念にボコられて、己の非力さと醜さを思い知るがよいわ


