デイリーバイテン -4ページ目

カラスビシャク(ハンゲ)

 

 

             写真1

 

 

 

 

             写真2

 

 

 

 

             写真3
 
          サトイモ科 カラスビシャク(ハンゲ) Pinellia ternata
 
          畑や路傍に生える多年草。北海道ー沖縄、朝鮮半島、中国に分布。葉は1
 
        -2 枚で3出複葉で長い葉柄がある。小葉の長さは3-12cm。花期は5-8
 
        月で、花茎の長さは20-40cm。仏炎苞の長さは5-7cm。 花軸の下部に雌
 
        花群を、上部に雄花群をつけるが外からは見えない。 付属体(花軸の先につい
 
        ている細長い部分)はかなり長く、仏炎苞からつき出ている。葉柄に珠芽(むか
 
         ご)を付けて、それでも 繁殖する。漢方薬では球根を半夏(はんげ)といい解熱
         
         剤等として利用する。
 
          写真1 2018.4.21 埼玉県さいたま市中央区
 
          写真2 2014.8.23 東京都青梅市 御岳山
 
          写真3 2018.5.18 埼玉県さいたま市中央区
 
          いずれもオリンパスE620 デジタルズイコーマクロ50mm
 
          写真3説明:実 実は液果で熟しても緑色のままである。中に種子が1個ある。
 
          実が熟するにつれ、大きくなって仏炎苞を広げて外から見えるようになってい
 
          る。
 
          撮影後記:仏炎苞が細く小さく、テンナンショウの仲間のようにグロテスクな感じ
 
          がなく、可愛らしいのでなんとか写真をものにしたいと思っていたが、なかなか
 
          写真にうまく収まってくれなかった。ある大型マンションの外周のサツキの植え
 
          込みに群生しているのを見つけて写真1,3を撮り、ある程度自分のイメージ
 
          を実現できた。光線の状況が悪かったのが残念だったが。  

タガネソウ

 

             写真1

 

 

 

             写真2

 

 

 

 

     写真3

 

 

 

 

             写真4
 
         カヤツリグサ科 タガネソウ Carex siderosticta
 
          林床や林縁に生える多年草。北海道ー九州、朝鮮半島、中国、ウスリー地方
 
         に分布。冬には地上部が枯れ、早春に地中に延ばした匍匐枝の先端から根生
 
         葉を出すと同時に前の年に葉を出していた所から花茎を出す。花茎の長さは10
 
         ー40cm。小穂は4-8個つき、長さは1-2cm。小穂の上部に少数の雄花が、
 
        下部に雌花がまばらにつく。雌花のピンク色の柱頭が印象的である。花期は4月
 
         ころ。5月に実が熟すと直立していた花茎は倒れる(写真3)。葉はその間大きく
 
         なり続け、幅1-3cm。長さ8-15cmになる(写真4)。和名は葉の形が鏨(た
 
         がね)に似ているからという。このような地味な植物を観葉植物として栽培して  
 
         いる人がいるというのに驚かされる。特に葉に斑(ふ)が入っているものに人気
 
                    があるという。
 
          写真1 2016.4.15 写真2 2018.4.3 写真3 2011.5.15 
 
          東京都 高尾山 写真4 2016,4,15 福島県耶麻郡西会津町奥川 
 
          いずれもオリンパスE620 デジタルズイコーマクロ50mm
 
          写真1説明:芽生えたばかりの葉も写っている。 
 
          写真2説明:花のクローズアップ。小穂が3つ写っているようであるが、雄花がま
 
          だ完全に開いてないようである。
 
           撮影後記:この植物は小生が長年正体がわからず(ラン科の植物まで調べ
 
           た。)植物に詳しい人に聞いてやっとわかったという思い出の植物である。
 
          なぜわからなかったかというと、カヤツリグサ科スゲ属の植物にこのように
 
          葉の幅が広い植物があるとは思いもよらなかったことと、花を確認できなか
 
          ったことによる。  

クロモジ

 

     写真1

 

 

 

             写真2

 

 

 

 

             写真3

 

         クスノキ科 クロモジ Lindera umbellata

 

         山に生える落葉低木。本州(関東、中部地方以西)に分布。高さ2-5m。花期

 

       は4月。同属のアブラチャンやダンコウバイのように花が葉に先行するのではなく、

 

       花と葉が同時に開く。雌雄異株。花は直径5mmくらい。花弁は6枚。雄花は雄し

 

       べが9本。退化した雌しべが1本。雌花は退化した雄しべが9本。雌しべが1本で

 

       である。実は直径5-6mm。黒熟する。材の香りが良いので楊枝の材料とされ、

 

       香料としてクロモジ油が採られた。現在でも菓子折りの中に紙で丁寧に包まれた

 

       クロモジの楊枝が入っていることがある。

 

       写真1 雄花 2015.4.6 写真2 同 2012.5.2 写真3 実 2016.7. 18

 

 

        写真1,3 東京都 高尾山 写真2 福島県耶麻郡西会津町奥川

 

 

        いずれもオリンパスE620 デジタルズイコーマクロ50mm

アブラチャン

 

       写真1

 

 

 

       写真2

 

 

 

 

             写真3

 

 

 

 

             写真4

 

          クスノキ科 アブラチャン Lindera praecox

 

          山に生える落葉小高木。本州ー九州に分布。高さ3-5m。幹は叢生(株立)

 

         する。古い幹は枯れ、新しい幹が生えてくるので、この植物の場合年輪を数えて

 

         も木の年齢はわからない。葉は互生し、長さ5-8cm。花期は3,4月。葉に先

 

         だって開く。花序は開く前、褐色の総苞片に包まれていて短い柄がある。散形

 

         花序で3-5個の花をつける。雌雄異株。雄花は花弁6枚、雄しべ6本。雌花

 

         は花弁6枚、退化した雄しべ6本、雌しべ1本。雄花より小さい。実は直径1.

 

          5cmくらい。

 

          和名について: アブラはこの植物の実や樹皮から取った油を灯火等に使

 

          ったことによる。チャンはタールやピッチ類を指す中国語から。

 

          写真1 2015.3.31 東京都青梅市 御岳山 


          写真2 2016.3.31 東京都 高尾山

 

          写真3 2011.7.3 同上 写真4 株立ちの様子 2011.7.24 同上

 

          いずれもオリンパスE620 デジタルズイコーマクロ50mm

ナガバノスミレサイシン(スミレ類編)

 

 

     写真1

 

 

 

 

             写真2

 

 

 

 

             写真3

 

 

 

 

             写真4
 
         スミレ科 ナガバノスミレサイシン Viola bissetii
 
          山の林床に生える*多年草。本州(関東以西の太平洋側)-九州に分布。高さ
 
         は5-12cmくらい。地下茎はやや太く横に伸びる。葉は長さ5-8cmくらい。
 
         花期は3月下旬ー5月上旬。花の直径は2cmくらいでスミレサイシンより少し小さ
 
         い。花の色は白ー淡い赤紫色でまれにかなり濃い赤紫色。花弁はスミレサイシン
 
         に比べて細い。葉といい花といいスミレサイシンを細長くしたような植物であるが、
 
         柱頭が長い等の特徴が共通のスミレサイシンに近縁な植物である。
 
        *沢沿い等の湿った場所を好むようであるが、乾いた場所にも生えている。
 
          写真1 2014.4.9 写真2 2015.4.23 写真3 2015.4.2
 
          写真4 2016.3.30 写真1,3,4 東京都 高尾山 写真2 東京都青
 
               梅市 御岳山
 
          いずれもオリンパスE620 デジタルズイコーマクロ50mm
 
          写真4説明:スミレサイシンと同様花が開いても葉は完全に開いていないことが
 
          多い。

スミレサイシン(スミレ類篇)

 

       写真1

 

 

 

               写真2

 

 

 

 

             写真3

 

 

 

 

             写真4
 
         スミレ科 スミレサイシン Viola vaginata
 
         山の林床に生える多年草。北海道の西南部から本州の日本海側(山口県まで)
 
        に分布*。地下茎は太く、長く横に這う。この地下茎をおろしてとろろのようにして
 
        食べる地方があり、トロロスミレの別名がある。高さは5-15cmくらい。葉は先端
 
        部分が急に細くなる特徴がある。長さは5-8cmと大きい。花が開いても基部がま
 
        だ十分開いていないことが多い(写真3参照)。花期は4月上旬ー5月。花は直径2
 
        ー2.5cmと大きく、色は淡紫色。唇弁に紫条がある。
 
        和名の説明:サイシンとは漢方薬の原料の細辛でウマノスズクサ科のウスバサイシ
 
        ンの地下茎のことである。この植物の地下茎が細辛に似ていることから。
 
        * 北日本では太平洋側にも生え、また四国にもわずかに生え、千島にも分布する
 
           といわれている。(山と渓谷社刊 いがりまさし著「日本のスミレ」から。)
 
         写真4説明:スミレサイシンの托葉(葉柄の付け根にある1対の葉状のもの)。葉
 
         柄から離れてつく特徴がある。この托葉と葉の形でこの植物を特定できるだろう。
 
         写真1 2018.4.30 写真2 2007.4.30 写真3 2018.4.30
 
         写真4 2017.5.3 いずれも福島県耶麻郡西会津町奥川で
 
         写真1,3,4 オリンパスE620 デジタルズイコーマクロ50mm
 
         写真2 オリンパスOM4 ズイコーマクロ90mm フジクロームベルビア

タカオスミレ(スミレ類篇)

 

 

               写真1

 

 

 

 

               写真2

 

 

 

 

             写真3

          スミレ科 タカオスミレ Viola yezoensis f.discolor

          低山の林床、林縁に生える多年草。分布や植物の特徴はヒカゲスミレと葉の

         色を除いて同じなので省略する。前回の記事で述べたように、ヒカゲスミレとタカ

        オスミレの線引きがわからないので写真は葉の表側が完全に赤黒い株のものを

        選んだ(しかし、よく見ると葉の縁等にわずかに緑色がかった部分がみてとれる)。

        典型的なヒカゲスミレと典型的なタカオスミレの数を比べると高尾山では圧倒的に

        タカオスミレが多いが、他のヒカゲスミレの生息地でどの程度タカオスミレが見い

        だせるのかわからない。

           和名について:高尾山で標本が採集され、1928年に新種として発表されたた

 
          め。

           写真1、2 2007.4.15 写真3 2016.4.10 いずれも東京都 高尾
 
          山で
          写真1,2 オリンパスOM4 ズイコーマクロ90mm フジクロームベルビア

          写真3 オリンパスE620 デジタルズイコーマクロ50mm

ヒカゲスミレ(スミレ類篇)

 

 

               写真1

 

 

 

               写真2

 

               写真3


          スミレ科 ヒカゲスミレ Viola yezoensis

          低山の林床、林縁に生える多年草。北海道西南部ー九州、朝鮮半島、中国

        に分布。高さ5-12cm。地下の匍匐枝を伸ばし繁殖するので群生することが

        多い。葉は長さ4-7㎝で両面緑色。花期は4-5月。花は直径2cmくらい。側

        弁には普通毛があり、側弁と唇弁に赤紫色の筋がある。距は長く、7-8mm。

        この植物の葉の表面が赤黒い色の品種がタカオスミレであるが、小生が困って

        いるのはヒカゲスミレとタカオスミレの線引きをどこでしたらよいのかということで

        ある。写真3のように赤黒い色がかっていればタカオスミレになるのか、ヒカゲス

        ミ レになるのかどの図鑑にも書いていない。

          写真1 2016.3.30 写真2 2015.4.19 写真3 2014.4.20

          いずれも東京都 高尾山で オリンパスE620 デジタルズイコーマクロ50mm

ノジスミレ(スミレ類編)

 

               写真1

 

 

 

             写真2

 

 

 

 

                写真3
 
          スミレ科 ノジスミレ Viola yedoensis
 
           民家に近いやや乾燥した日当たりのよい場所に生える多年草。秋田県
 
          から屋久島まで、朝鮮半島南部、中国中部に分布。地下茎は短く、太い長
 
          い根をおろす。高さはスミレより低く、4-8cmくらい。葉は長さ3-6cmく
 
                       らいで葉柄は2-5cmくらい。花期は3-5月。花は直径1.5cmくらい。
 
          色はやや青みの強い紫色。葉と花弁の縁が波打っていてスミレのすっきり
 
           した感じとことなる。スミレを貴婦人としたらこの植物は田舎の素朴な娘と
 
          いう感じである。
 
           写真1 1993.4.10 オリンパスOM1 タムロンSP90mm コダクロ
                                                   ーム25
 
           写真2 2010.4.8 オリンパスE620 デジタルズイコーマクロ50mm
 
           写真3 2004.4.17 オリンパスOm4 ズイコーマクロ90mm 
                                           フジクロームベルビア
 
           いずれも埼玉県日高市で

ニョイスミレ(スミレ類篇)

 

     写真1

 

 

 

     写真2

 

 

 

 

     写真3
 
   スミレ科 ニョイスミレ(ツボスミレ) Viola verecunda
 
      山野の湿気の多い場所に生える多年草。南西諸島を除く日本全国、朝鮮半島、中国、
 
  ウスリー、アムールに分布。タチツボスミレ同様地上茎があり、葉は根出のものと地上茎に
 
  つくものがある。高さ5-25cmくらい。花期は4-5月で、5月になって他のスミレの花がコ
 
  ミヤマスミレくらい しか見られなくなってもこの植物の花を見ることができる。花は直径1cm
 
   くらいで、唇弁が他の花弁より小さく紫条がある。
 
   写真1 2004.4.18 埼玉県さいたま市浦和区 写真2 2011.5.5福島県耶麻郡西
 
        会津町奥川
 
   写真3 2002.5.5 埼玉県日高市 写真1,3 オリンパスOM4 ズイコーマクロ90 
                                          フジクロームベルビア
 
   写真2 オリンパスE620 デジタルズイコーマクロ50mm
 
   写真3について:花の色が赤みがかっている。この植物の高山型であるるミヤマツボス
 
       ミレViola verecunda var.fibrillosaは花の色が赤みがかっているが、分布
  
       が中部地方以北の本州の高山であるので、写真3の植物はミヤマツボスミレで
 
        ありえない。このような よくわからないことは植物観察を長年やってきてよくある
 
        ことである。