なんと!

 

クノタチホ「コンプルックス」特集がReal Soundさんに掲載されました!

 

 

女装家心理カウンセラーが考えるルッキズム

モデル=クノタチホ

写真=北原千恵美


Real Soundさんは、音楽やエンターテインメントの最新情報を提供する日本屈指のメディアであり、
多くのアーティストやクリエイターが目指す場所


もちろん、影響力と信頼性は折り紙付き。

私の作品が広く認知され、その魅力がより多くの人々に伝わる大きな一歩となる・・・
その瞬間をみんなにも見て欲しくてこの記事を書いてます。

 

特集内容も、私が普段言ってることがぎゅっと凝縮されうまく編集いただいているので
(本当にありがとうございます( ;∀;))

 

今回、Real Soundさんで公開中の記事を少しだけご紹介♡

 

ぜひ読んでみてください!

 

 

女装家心理カウンセラー・クノタチホが「ルッキズム」をテーマに著した小説『コンプルックス』(サンマーク出版)が話題を呼んでいる。

 

 美容室「ナルシスの鏡」には、自身の容姿に絶望した人が覗き込むと、一瞬で誰もが振りむく姿になれる不思議な鏡があった。ただし、その姿はあくまでも仮想現実で、66日を過ぎてもなお仮想現実の中で生きることを決めると、元の世界でのその人物の存在は消えるといういわくつき。果たして、「ナルシスの鏡」を訪れた二人の女性は、美しさを手に入れて幸せを掴むことができるのかーー。

 

 逃れることのできない「美しさ」への葛藤を、心理カウンセラーならではの視点から描き出した物語には、きれいごとではない人生哲学が込められていると評判だ。著者のクノタチホに、改めてルッキズムとの向き合い方を聞いた。(編集部)

 

□人が精神を病むいちばん大きな原因は?

クノタチホ
モデル=クノタチホ
写真=北原千恵美

 

ーー大事なのは外見の美しさか、それとも内面の美しさか? 永遠の命題を突きつけられて葛藤する女性たちを描いた小説『コンプルックス』。身につまされるところも多かったです。

 

 

クノタチホ:整形手術を否定する人たちは、一度はじめたら依存してしまうのではないか、行きつくところまで行ってしまうのではないかと懸念して

 

「大事なのは心であり内面の美しさなのだ」

 

という結論に落ち着きがち。でも、それが強迫観念となってかえって生きづらさを招いているのではないか、というのが、長年心理カウンセラーとしてお話を聞いてきた実感なんです。

 

目に見える外見の改善をはかっている方のほうが、メンタルヘルスが健康であるというケースはままあるんですよね。もちろん、外見を磨けばなにもかも解決するというわけではないですが、両派の隔たりをどうにかして埋められないかと思ったことが、小説を書くきっかけとなりました。

 

(略)

 

 

クノタチホ:要求は、相手に精神的負担を押しつけることになると、まず自覚しなくてはなりません。

そしてもう一つ、役割をすべてひとりの人間に押しつけないこと。

すべての安心感を、たったひとりの恋人からもらおうとするのは、無理があります。恋人以外にも家族や友達、同僚や先生といった、いろんな立場の方に少しずつ心を預けるほうがいいし

みんなから少しずつ安心感をもらって

そのつど必要に応じて寄り添ってもらえたら

それでじゅうぶん幸せじゃないですか

ってことも私は伝えていきたいんです。

 

モデル=クノタチホ

写真=北原千恵美

ーー言われてみれば、恋人や夫に、親や友達に求めるような役割まで求めてしまい、うまくいかなくなる話は、よく聞きます。

 

 

クノタチホ:子どものころに、親と一対一の関係を築きすぎた人ほど、そうなってしまう傾向はあります。

 

たとえば祖父母や兄弟姉妹、近所のおばちゃんといった、いろんな人からの愛情を注がれて育った人は「愛情というのは複数からもらうものだ」と無意識に認識している。

 

でも、親が「私からの愛情があってこそ、あなたは幸せなのよ」というような態度で子どもを縛りつけると、唯一無二の存在を求めるようになってしまうところがある。

 

一人でも多く、この人は味方だと思える存在を増やしていくこと

 

が、トラウマやコンプレックスに向き合うためにも必要なんじゃないかなと思います。

 

ーーそれがいちばん難しいのですが、その難しさにどう向き合うか、さまざまな女性たちの葛藤を通じて描かれているのが、この小説のおもしろさですよね。わかりやすい結論に着地しないだけでなく、安易な慰めも言わない。

 

自分の足で立つことを突きつけてくる、厳しさもありました。

 

□自分もふくめてすべては一時的な存在である

モデル=クノタチホ

写真=北原千恵美

ーー「美しさ」の難しいところは、主観と客観が入り混じるところなのかなあと、お話を聞いていて思いました。

他人から傷つけられて自尊心が削られ、美醜にこだわりすぎてしまうということもありますし。

 

 

クノタチホ:たとえば、朝起きたらまるで違う人の顔になっていたとします。

 

十人すべて、同じ顔になっていたとしても、その顔に対する評価はそれぞれ違うので、得られる幸福度も変わってくるはずなんですよ。

 

いくら美しくても賢くなければ意味がない、と思う人もいるだろうし、これでは足りないと思う人もいるでしょう。

 

その基準が、どこにあるのかを知ることもまた、大事だと思います。

 

みずからの目標のためにこだわって美しくなりたいのか、周囲からのジャッジによって強迫観念に駆られているのか、それを知るだけでも、自分が本当に満足するために何をするべきなのか、見えてくるんじゃないでしょうか。

 

(途中省略)

 

――「ありのままで生きる」というのも今作のテーマでした。

でもその「ありのまま」すら、変わっていいんだ。一貫性なんてなくてもいい、という描かれ方に、救われる読者は多いと思います。

 

 

クノタチホ:誰しも、普遍的な自分らしさというものを探してしまうんだと思うんですよ。

 

冒頭で「本当の自分」という話をしましたが、やっぱりそこにも、究極的な、たった一つの何かがあると思い込んでしまう。

 

そしてひとたび、それを見つけたと思ったら、その状態を貫かなければいけないのだと。

 

でも、

 

変わり続けるということが、一番のあなたらしさなんだよ

 

ということは伝えていきたいですね。

 

十年、二十年、続けられる自分を探すのはしんどいけれど、とりあえず一年はこれでやっていこう、くらいの気軽さのほうが、みんな前に進んでいける。

 

それに、自分もふくめてすべては一時的な存在である、と解釈したほうが、本当の意味で多様になれるのではないのかな、と。

 

モデル=クノタチホ

写真=北原千恵美

ーー多様性、という言葉がかえって定義づけを推進し、多くの人を縛りつけている感じもありますよね。

 

クノタチホ:選択肢も多くなりすぎて、みんな、自分の存在意義がどこにあるのか、何をもって自己肯定すればいいのか、わからなくなっている気もしますね。

 

こんな実験結果があります。親ネズミから子ネズミを隔離し、子育てという役割を奪うと、毛づくろいばかりするようになる、と。今、まさにそれに近いことが社会で起きているんじゃないでしょうか。

 

みんな、なすべきことを見失って、容姿を磨くことばかりに心が向いてしまっている。

 

でも美しさだけで心は満たされない。じゃあ、何をするべきなのか、どうすれば幸せになれるのか、この小説がみなさんのヒントになればうれしいです。

 

いかがでしたでしょうか?

 

クノタチホの伝えたい魅力を引き出して下さった

立花ももさんがいたからこそ、今回の特集での著書「コンプルックス」に込めた願いが伝わったのかな

って思います。

 

熱い思いをわかちあった立花ももさんとの特集全文は

こちら

 

 

見てね♡

 

 

立花ももさん

1984年、愛知県生まれ。ライター。

ダ・ヴィンチ編集部勤務を経て、フリーランスに。

文芸・エンタメを中心に執筆。橘もも名義で小説執筆も行う。

代表作に『忍者だけど、OLやってます』シリーズ、ノベライズに『透明なゆりかご』『小説 空挺ドラゴンズ』など。

 

 

文・取材=立花もも

写真=北原千恵美