破獄
破獄
11日午前10時半ごろ、広島市中区吉島町の広島刑務所から李国林受刑者(40)=殺人未遂と
公務執行妨害、銃刀法違反などの罪で服役中=が逃走した。身長約173センチの中肉で丸刈り、
白の肌着姿とみられるという。
同刑務所などによると、李受刑者は2005年5月、岡山市内で警察官に対する発砲事件を起こし、
懲役23年の実刑が確定。当時、逮捕後に警察車両を奪って逃走する事件も起こした。
広島県警は同刑務所から通報を受け、県内全域で緊急配備。他の中国4県警と愛媛、香川両県警にも
連絡し、男を捜索している。
脱獄なんてめったにないんですが、刑務官が油断した隙をついてまんまと逃げましたね。
っていうか、警察の不祥事・失態が目立ちますね・・・・。
出頭してきたオウムの平田はたらい回しにするわ、
台湾人の殺人犯を警察車両内で自殺させるわ、
千葉県警の警察官が温泉で調書を盗まれるわ、
で、挙句に脱獄ですから、こりゃ叩かれても仕方ないです。
脱獄といえば、かつて日本にはすごいのがいました。
白鳥由栄です。
吉村昭氏の小説「破獄」のモデルとなった人物で、
26年間の服役中4回の脱獄を果たし、看守に怪我をさせたり、人質を取るという強行突破は1度としてなく、
当時の看守の間で「一世を風靡した男」と評されたほどの伝説の受刑者です。
小説「破獄」では、白鳥受刑者の脱出の経緯が吉村氏の丹念な取材によって細部までリアリティーをもって描かれていて、さらには、
昭和初期から戦後にかけての濃密な時代背景や米軍統治による刑務所環境の変化なども詳細に書かれていています。
その時代から今でも続く、米軍>官僚>政治屋 の日本を支配する力学的構造もよくわかります。
歴史小説、娯楽小説としても超一級です。
テーマは暗く重たいですが、さわやかで印象的な読後感が味わえるので私が自信をもってお薦めします。
ぜひ読んでみてください(^^)