「甘草は血圧を上げるので飲みたくありません」とおっしゃる方がいます。

甘草の中の成分「グリチルリチン」が血圧を上げると言われいている事が一つ。

甘草が入って漢方薬を飲んで血圧が上がったと言われる事がもう一つ。

この二つが考えられます。

 

前者の「グリチルリチン」で血圧が上がるという事は、甘草に入っている他の成分の影響がないという前提だと思われます。

塩の主成分は、塩化ナトリウムです。

しかし、塩にマグネシウムやカルシウム、カリウムなどのミネラル(無機物質)が含まれています。

完全な塩を作るとしたら、成分を完全に把握して再現しないと塩にはなりません。

ミネラルに代表される物質が、甘さなどでも感じられます。

塩と異なる作用があるのは明らかだと思われます。

もう一つの肝臓が入った漢方薬で血圧が上がったという事ですが、私の経験で四逆散という漢方薬があります。

サイコ2.5g(5.0g)、キジツ2.5g(2.0g)、シャクヤク2.5g(4.0g)、カンゾウ2.5g(1.5g)とメーカーでない容量が異なりますが、通常カンゾウが1g程度ろ考えると多く入っているメーカーもあります。

高血圧での相談で四逆散を飲んでいただいて1日目2日目と収縮期の血圧(上)が200あったものが確実に下がってきて1週間ほどで150くらいになりました。

肋骨の下の違和感などを目安にして血液に熱を持っていたものと思われます。

漢方医学は、身体のバランスをとるものなので、ある部分だけ診て判断する事は不可能で甘草が血圧を上げるといった誤用を招きます。

 

マオウ(麻黄)に関しても同じです。

麻黄は血の熱をとり体の表面から汗が出ない時に熱邪を汗として出す作用があると思われます。

たくさん汗が出ている時に汗をかかせるとサウナで運動させるよなうなもので、更に心臓に負担をかけて血圧が上がる事が考えれます。

漢方用語で表虚といい、体の表面つまり汗をかけずに皮膚の所に熱邪が滞って発熱になり、熱が溜まり関節痛や発疹などの症状が出てくる時に使われます。

また、気・血・水は汗として出ていきますが、個人差により気だけ血だけ、水だけあるいは、気血、気水、気血水が滞る場合があり、その時々で考える必要があります。

もちろん、五行の親子の関係である皮膚の親である胃腸を診なければ身体のバランスを欠いてしまます。

ちなみに、マオウは有名な「葛根湯」にも入っています。

これだけでも複雑に絡まっている状態を把握して漢方薬を選ぶ必要があります。

一生勉強です。