周りの漫画家さんの間で出版前から評判だった『薔薇はシュラバで生まれる』(笹生那実/イースト・プレス刊)、やっと手に入りました!

 

サブタイトルに【70年代少女漫画アシスタント奮闘記】とあるように、いろんな有名漫画家さんの元でアシスタントをしていた笹生那実先生の、リアルな漫画制作現場のエッセイマンガです。

 

読み始めて驚いたのが、それぞれの漫画家さんの絵柄でキャラクターを描いていること。

それがまた本当に上手い!

私も昔、くらもちふさこ先生の『おしゃべり階段』をパロディにした『どすこい階段』というのを描いたことがありますが、くらもち先生の絵柄を真似るのって難しかった!

それを笹生先生は各先生をスラスラと描いている(ように見える)。

 

 

私は1986年「週刊マーガレット」でデビューしましたが、わりと背景が描けたので、新人漫画家時代はいろんな先生のところに臨時アシスタントとして行きました。

高橋由佳利先生、水沢めぐみ先生、吉住渉先生、亜月裕先生、目白花子先生、星崎真紀先生、よしまさこ先生…などなど。

80年代後半は、笹生先生の時代と同じような仕事場環境はまだ残っていましたね。

 

漫画にも出てきた錦友館や山の上ホテルにもお手伝いで行ったことがあります。

山の上ホテルにカンヅメになっていた某先生をお手伝いに行った時は、見開きページを3人くらいで一斉にひたすらヒマワリの花を描いたこともあったなあ。

 

デビューしてわりとすぐに週刊連載をもらったので、逆にうちは豪華なアシスタントも。

神尾葉子先生、水沢めぐみ先生、谷川史子先生など、私の古いコミックスには豪華なモブシーンが残っております。

 

 

女の子ばかりの仕事場、恋バナとはあまり縁のない楽しい女子トーク。

今から思えば十分ブラックな仕事環境だけど、当時は若さと好奇心と向上心にあふれていたせいか、全然苦じゃなかった。

 

笹生先生の漫画のおかげで、なつかしい時代を思い出せました。