気まぐれ解いてみたシリーズ
2023年度
桜蔭中学の国語
まずは簡単に2023年度(令和5年度)の入試結果から
出願者数 629人
受験者数 607人
合格者数 290人
補欠者数 30人
おおよそ、2.1倍くらいか
(補欠者もおり正確な倍率はいえないが)
ここ5年は2倍前後で推移
次に
桜蔭中学の国語について(ふと思ったこと)
・問題となる文章をすばやく読み解き、要点をまとめて解答する力が必要
・比ゆ表現が多く、かなりの読解力が必要になる
・記述問題中心の出題
→抜き出し・文章引用の解答だけでは厳しい
→自分の言葉で言い換えて説明するので難しく、時間も厳しくなる
・字数制限がないものほとんどだが、文学的文章で字数制限ありの時もある
・語彙力はある程度必要
→四字熟語、ことわざ、慣用句、故事成語など
などがあげられる(もちろん全てではない)
全部みていきたいが、今回は説明的文章(?)をみていきたい
高橋源一郎『高橋源一郎の飛ぶ教室ーはじまりのことば』
からの出題
試験当日、読んで違和感をもった生徒が多いかもしれない
なかなかこのような文章を普段の演習やテキストでは見かけない
これは、NHKラジオでの冒頭部分を収めたものである
だから、文章は【◯◯◯◯年◯月◯日】となっているのである
それぞれ、文章としてつながりはない
このように少し変わっているのでより難易度が上がってしまうだろう
設問は5題で、漢字以外は全て記述
桜蔭を解く際は、設問をざっと確認してから課題文を読んだ方がいいように思う
桜蔭は先に設問を見て課題文を読み進める方が良いだろう
→設問から条件、キーワード、ヒントなどを整理してから読み始めた方が、該当箇所や解答となる記述を見かけたときにチェックしやすい
各設問をみてみると
上記のように、設問をざっと見てポイントを頭に残しておくと良い
いきなり全部覚えたまま読むのは無理があるので、訓練が必要となる
設問を確認したところで読み進めていく
●2020年6月5日の内容
ここで問2の解答ができる
正しいと思って発したことばでも、どこかで他人を深く傷つけてしまうかもしれないということに、とまどい、怯えている。
ということが書けていれば良い
簡潔にとあるので、設問の指示から、
他人を傷つけてしまうこと。で終わらせてしまうと
・間違いではないが、部分点はかなり低くなる
・解答欄からみると、もう少し肉付けして答える必要がある
●2020年12月11日
●2022年2月25日
以上、各日付や段落ごとに簡潔にまとめたみた
残りの設問を見てみる
問3
設問のポイントから、本文の2020年12月11日・第6段落以降とわかる
なぜ世界が繋がってひとつになることを望まないのか、という問題
まず書かなければいけないのは、
→【ひとつの考えになったら世界は狭く、息苦しくなるから】
これでは字数が足りないので、【世界が繋がってひとつになる】を説明する必要がある
→【SNSなどのネット世界では様々な考えがあるはずなのに、みんなひとつの方向に流れて行ってしまう】
まとめると
SNSなどのネット世界では様々な考えがあるはずなのに、みんなひとつの方向に流れていってしまう現状があり、その結果、世界は狭く、息苦しくなるから。
というようなことが書けていれば良いだろう
実際、
自分の言葉で言い換えて記述する必要があるため難易度は高い
問4 比ゆ説明問題
もちろん、棒線部の比ゆ表現を知っていて欲しいわけではない
(知っていればいいに越したことはないが・・・)
必ず、本文にヒントや具体例を交えて説明しているので、気付こう
棒線部③【見る前に跳べ】
については、2022年2月25日の内容(最終段落)を読めばなんとなく分かるはずだ
筆者は、
「ウクライナやロシアの作品を読んでいると、その国に住む人の顔やことばづかいが分かってくることについて、それをして何かの役に立つのか(意味あるのか)と言われるかもしれないが、すぐにしなければならないこともある」
→【見る前に跳べ】という言葉が大好き
これは時事的な要素も少し含まれていて、【ロシアのウクライナ侵攻】を受けて、何か支援できないかと思っているのかもしれない
しかし、すぐにはウクライナに行けない・・・
でもじっとしているわけにはいかない
→最終段落のとりあえず作品を読むという行動をしたということだろう
できれば上記のような読み・想像ができると良い
解答は
何かの行動を起こす前に、色んなことを考えずにまず行動に起こすということ。
棒線部④【犀のようにただひとり歩む】
2022年2月25日の記事の初めに一度記述がある
→犀は周りの世界を確かめながら、ゆっくり、ただひとりで前へ進んでゆく
その後、筆者の経験談(東日本大震災についての記事を書く)の記述で
→納得のいくところまで犀のようにゆっくりっただひとりで歩いていくことができた、と書かれている
解答は
納得いくまでゆっくりと時間をかけるということ。
これではやや字数不足を感じるので、肉付けが必要になる
何事も焦らずゆっくりと、納得のいくところまで時間をかけるということ。
のようなことが書けていれば良い
問5
カミュと峯田に対して、
どのような点に希望を感じているかという問題
カミュと峯田の考えとそれに対する筆者の意見・考えをまとめると良い
解答は
ことばは人を傷つけるが、そうしないよう自分自身を疑いながら、緊張を持っって、決してゆるめないようにして意見を発するべきとして書くことをやめなかったカミュや、峯田のひとつの意見や考えになると世界は狭く、息苦しくなるのでバラバラで良いという考えに対して、筆者の作家としての意義に良い影響を受けている。
のようなことが書けていれば良いと思う
以上、文章と書各設問を見てきた
解いた方はわかると思うが相当読みにくく、解答もしにくい問題だたと思う
桜蔭だけでなく、最難関校・難関校をうける6年生や目標にしている5年生は、
様々な学校の過去問題を解き、幅広い読解力と、文章に慣れおく必要がある
それは、今年度の問題を見ればわかるだろう
ある程度、どのような文章が来ても落ち着いて対処できるようにしておこう
どのようなタイプの文章がきても【やることは同じ】である
段落や文のかたまり毎に筆者の主張などをまとめることを心がけること
ぜひ、受験するしない関係なく解いてみて欲しい
それでは、
桜蔭中学の国語2023年度は以上です
今回は説明的文章(?)だけにしました
長くなりましたが、
この辺で失礼したいと思います
最後までお付き合い頂きありがとうございました
これからも、
中学受験国語のロジカルリーディング
ー論理で読み解く入試問題研究ー
をよろしくお願い致します