2012年7月(187号) : 全日本鍼灸学会学術大会 | 大阪本院・天六・箕面にて鍼灸・整骨・マッサージ・インディバを行う総合治療院「玄武堂」

大阪本院・天六・箕面にて鍼灸・整骨・マッサージ・インディバを行う総合治療院「玄武堂」

私たちは「元気がないと仕事にならん!」をモットーに、東洋医学の源流を駆使して、地域の皆さまの笑顔と心身の平穏を目指してます。

治療院:「大阪市北区/天神橋筋六丁目駅~1分」「城東区関目/京阪関目駅すぐ」「大阪市北区/天神橋筋六丁目~2分」「箕面市箕面」



七月といえば祇園祭に天神祭り、ともに疫病を鎮めるために祀った神様のお祭りです。夏ばてや胃腸の不調が気になり始める頃であり、鱧やうなぎといった食材が出回る季節でもあります。

夏の食材を上手に利用して、暑さに慣れていきたいものですね。


今回は、毎年六月に開かれる、日本鍼灸学会学術大会で橋本総院長が行った、症例報告のご報告です。


今回の症例は顔面神経麻痺でした。



■始原東洋医学の構築に向けて(21)



顔面神経麻痺を主訴とする鍼灸施術の一症例



演者 橋本多聞



【症例】



・四十四歳 男性



・主訴:顔面神経麻痺(右側)



・現病歴:×年一月○日夕方から舌の右側が麻痺し、感覚異常となる。



医院にて、末梢神経の顔面麻痺と診断される。



翌日、右顔面がまったく動かなくなる。



投薬により経過を観察していたが改善が見られず、当院を受診した。



 



※顔面神経麻痺(ベル麻痺)とは



顔面神経の麻痺によって障害側の顔面筋のコントロールができなくなった状態である。



特徴的な症状としては、顔のしわが消え、目をしっかり閉じることができなくなります。



麻痺した側の口の端(口角)が下がって口笛が吹けず、食物も麻痺した側の口角からこぼれたりする。



パ行の音が発音しにくく、低い音がより大きく聞こえたり、麻痺した側の目から涙が流れたりする。



舌の前方三分の二の味覚がなくなることがある。



【治療方法】



・五感とは異なる印知感覚を用いて、望診で気滞を捉え、気滞部分から切診で検出した強力反応点に鍼灸施術を行った。



【治療経過】



三週間に十回の施術を行った。



・初診時に四○点柳原法による顔面部位評価法では、スコア三点で完全顔面麻痺と判断された。



・四診目で瞬き可能となり、口周の筋肉も動かせるようになった。



・八診目でスコアは満点となり、改善が認められた。



【考察】



・本症例では麻痺側とは反対側の頭部に気滞が発現していた。また、強力反応点についても、必ずしも同側ではない位置にも発現していた。



・強力反応点に適した鍼灸施術を行った結果、気滞、強力反応点が解消し、麻痺や随伴症状が消失したことから、強力反応点+点および-点に適した鍼灸施術は、臨床的に有効であることが示された。



【結語】



・顔面神経麻痺は、現代医学ではステロイドを投薬するのが一般的であるが、薬物治療を併用するか否かは問わず、強力反応点・気滞を消去すれば、症状は改善に向かうと考えられた。



・今後、症例を蓄積して、有効性を検討していきたい。



以上が発表内容でした。



顔面神経麻痺については、梅田治療院でもたくさんの治癒例があります。



この病気は、男女を問わずかかるものであり、すぐに治療を始めることが重要です。また、それ以上に重要なのは、完全に治るまで、きちんと治療を継続することです。



少しずつ改善することもあり、不安になることも多いかと思いますが、スタッフ一同しっかりと支援してまいりますので、ご本人はもちろん、周囲にこの病気かな?と思う方がいらっしゃいましたら、一度受診することを勧めてみてください。



玄武堂梅田治療院   横山玲子