毎年、六月になると梅雨入り時期のニュースが報道されますね。この時期は私も気分が少し憂鬱になります。
梅雨の時期は湿気が多くジメジメとしているので、食中毒の予防を呼びかけるポスターなどが多くなりますが、実はそれ以外の病気も起こりやすく、体調管理が難しい時期なんです。五月下旬から沢山の患者様がいつも以上の不調を訴えられて来院されています。湿気によるものから来る症状も増えているように思います。そこで梅雨の時期に起こりやすい症状と意識して摂るといい食材を少しご紹介します。
東洋医学では湿気を「湿邪」といい、梅雨時期の不調はこの湿邪「余分な水分」が引き起こすと考えられています。
過剰な湿気(湿邪)は脾胃の働きを弱らせます。脾胃が弱ると十分な気血が全身に行き渡らなくなります。そうなると、頭痛・肩こり・消化不良・食欲不振・倦怠感・ムクミ・下痢・生理不順など様々な症状が起こりやすくなるとされています。
水分代謝の悪い方は湿邪を溜め込みやすい為にこのような症状に特に悩まされると思います。
そこで、摂ると良いとされる野菜を少し紹介します。
人参…
寛中下気(胃腸の働きを高め、気の巡りを助ける)
利胸膈(胸が詰まって息苦しい感じを解消させる)
安五臓(五臓を調和させる)
大根…
下気和中(気の巡りを促し整腸し胃腸の働きを良くする)
化痰消食散結(痰の出を良くし消化を促す)
玉葱…
温中理気(胃腸を温め気の巡りを改善する)
利水消腫(利尿作用でムクミを解消する)
通腸(気を巡らせ体を温める)
山芋…
健脾益気(胃腸を丈夫にし吸収力を高め体力をつける)
淡滲利湿(利用作用がある)
青梗菜…
通利胃腸(胃腸の老廃物を除き機能を回復させる)
散血消腫(血行を良くし皮膚炎症の腫れを軽減させる)
破結散血(女性の血行障害を改善させる)
セロリ…
祛風利湿(体の余分な水分を除き体が重く痛いという症状を解消)
調経化瘀(血行を良くして整理不順に効果あり)
キャベツ…
調利臓腑(臓腑機能の調整と回復)
通絡散血(毛細血管の循環障害の改善)
安胃痛止(胃腸を丈夫にし止痛する)
ニラ…
補肝腎(肝臓と腎臓の働きを高め腰と膝を丈夫にする)
安五臓(五臓を温め機能を回復させる)
温中理気(胃腸を温め気の巡りを改善する)
このように様々な野菜が様々な効果を持っています。ただ、なんでも食べればいいと言うものでもありません。
水分代謝の低下でムクミが気になる方は利尿作用のある食材を、食欲不振の方は調整作用のある食材を、この時期から特に冷たい物や甘い物を飲食し過ぎ胃腸を冷やしている方は胃腸を温める食材を意識して摂るようにして下さい。
もちろん食べ過ぎれば身体にも良くありません。ご自分の身体と相談しながらバランスよく摂って下さい。
当院ではこの時期に体調を崩し易い方に鍼灸施術により全身の調整をし根本から改善できるようお手伝いさせていただいています。また、
・
美顔鍼によりお顔のムクミ
・
フットマッサージにより足裏からふくらはぎまでのムクミの改善
と、その方に応じた施術をしております。
この時期に特に悪化しやすい症状として皮膚病・神経痛・リウマチ・喘息・気管支炎等も挙げられています。
気になる症状などお持ちの方は各院のスタッフにお気軽にご相談下さい。
毎年必ず梅雨シーズンは訪れます。
湿邪と上手に付き合い自分の体調を上手くコントロールしていきたいですね。
渡邉 晴未