2012年2月(182号) : うつに対する鍼灸治療 | 大阪本院・天六・箕面にて鍼灸・整骨・マッサージ・インディバを行う総合治療院「玄武堂」

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年が改まってあっという間の一ヶ月、


寒さの厳しい二月となりました。





春が待ち遠しくなる頃ですね。





今月は、先月の「うつ病」に続く第二弾です。




先月は、うつ病の治療に、鍼灸が効果があります、


ということをお伝えしました。


今回は、鍼灸でうつ病の治療って、どんなことをするの?です。





玄武堂では、鍼灸治療として


主に「始原東洋医学」・「自律神経免疫療法」・「中医学」の


3つの治療法を行っています。


今回ご紹介するのは、「始原東洋医学」です。





この治療法は、鹿児島におられた有川貞清医師が


開発された治療法です。


本来、人の体は病気になると、自然治癒力を発揮して治していきます。





しかし、治癒に向かうベクトルの異常が起こると、


いつまでも病気が治りません。





そのベクトル異常を指して「気滞」と言います。





「気滞」を見つけ、鍼灸治療によって


その異常を解消していくことで、


自然治癒力の手助けができる、


というのが「始原東洋医学」の考え方です。


実際の治療法としては、患者さまにリラックスして立っていただき、


全体のバランスを見ます。


その後、バランスの乱れである「気滞」からたどれる、


「反応点」と呼ばれるポイントに、ごく浅い鍼をしていきます。





症例





《 58歳女性 》


2年前、パニック障害(不安神経症)と診断され、


6ヶ月前から朝起きると口が異常に乾き、


舌が痛くなり、しゃべれない。





舌と歯がすれると痛い。右耳に耳鳴りあり。


右期門辺りに気滞、


右下腹部2点に+点、左前肩部・雲門・肩ぐうに-点、


右臨泣+点、左外関-点。


ベッドに仰向けの状態で全部で7ヶ所に浅い鍼をしました。


有川医師によると、姿勢の悪さによって起こる身体のねじれで、


不安神経症になる場合があるとのことでした。








《 26歳女性 》


パニック障害(過呼吸)、アトピー性皮膚炎、


肩こり、めまい、頭痛あり。


頭に気滞、右期門に反応点あり。





右腹部に+点、右頭部に-点、右腰部に+点。


仰向けの状態で5ヶ所、うつぶせの状態で3ヶ所に浅い鍼をしました。








《 53歳女性 》


配偶者が他界したため、大きな精神的ストレスがかかり、


めまい、うつ症状、難聴。


左耳下の気滞。左肩上部、左背部+点、左頭部2ヶ所-点。





いずれの方も、現在は症状が軽減もしくは消失していらっしゃいます。





うつによるさまざまな症状は、


薬でしか対処できないと思われがちですが、


鍼も薬と併用して対処できる、といえます。








 玄武堂総院長

            橋本多聞