暦の上では、もう春ですが寒い日が続いていますね。
風邪をひかないように十分気をつけましょう。
今回は、昨年末から集団食中毒、集団感染などで
猛威を振るい大流行したウィルス性腸炎(特にノロウィルス)
についてお話しします。
まず、ノロウィルスについて知りましょう。
< ノロウィルス >
感染経路…ほとんどが口から体内に入り感染します。
ウィルスに汚染されたカキ等の貝類を生あるいは十分に
過熱しないで食べた場合が有名だと思います。
その他には、調理器具が汚染されていたり、
ウィルスに感染した人が食品を取り扱うことにより
二次的に汚染された食品を食べた場合や、
感染者の看病をして、吐物や便から直接感染する場合
などがあります。
潜伏期間(感染から発症までの時間)…一日から二日。
症状…吐き気、嘔吐、下痢、腹痛、発熱など。
特徴…ノロウィルスは乳児期から成人まで幅広く感染します。
そのため、免疫力の低い乳児や老人は重症化してしまうことが
あります。
また、人から人への感染力がとても強いため集団感染が
みられることがあります。
予防方法…食事前やトイレの後などの手洗いを石鹸を使って
しっかりと洗うことが大切です。
食品に関してはしっかりと火を通して食べましょう。
食品の中心温度が八十五度以上になるまで
しっかりと加熱してください。
また、二次感染を防ぐために、看病をされるかたは手袋、
マスクをしてください。
殺菌には、熱湯か市販の塩素系漂白剤を五十倍から百倍に
薄めて使用してください。
ノロウィルスについてはこのような概要になります。
このような症状にも当院では、東洋医学に基づく治療を
行っております。
東洋医学でのウイルス性腸炎の嘔吐や下痢の分類を挙げます。
1 … 風邪が胃腸に入ることによって起こるもの。
このタイプは嘔吐下痢の症状の他に悪寒、発熱、鼻水等の
風邪の症状が一緒に現れるのが特徴です。
一般的な風邪であれば悪寒、発熱や上気道の症状(咳や咽痛など)
から始まりますが、前述したウイルスは上気道の症状をおこさず、
ひとっとびに胃腸への症状を起こします。
それを漢方では直中(じきちゅう)と言い、
風邪が胃腸に入った状態です。
2 … 飲食の不節(制)により起こるもの。
このタイプは暴飲暴食や生物の過食により胃腸が弱り
その結果下痢や嘔吐といった症状が現れます。
また、ウイルスに汚染された食物を食べて症状が現れたものも
この中に入ります。
ですが、汚染されたものを食べたことによって起こるものと、
食べ過ぎ等によって胃腸が傷られて起こるものは症状は
似ていますが全く違うものです。
なので、もちろん治療内容も変わります。
ウィルスに汚染された食べ物を食べたときの方が、
胃腸の弱りが激しいので、胃腸の気を高め、
痛みをとるツボ刺激を行います。
一方暴飲暴食などの場合は、胃腸中の余分なものが排泄される
ようにツボ刺激を行います。
ウイルス性腸炎は予防することができます。
流行している今だからこそしっかり予防しましょう。
東洋医学玄武堂
福田 円