日記帳の発見により、僕はか細いながらも証拠集めのための糸口が掴めたような気がしていました。
日記帳にあった日付の中に、使えるものがあるかも知れない。
僕はそう考えていました。
探偵に証拠を掴むよう依頼してはいますが、
田村氏からは目立った動きはないとの報告ばかりです。
奴らがなかなか尻尾を出さない状況では僕としてもじっとしているわけにはいきません。
そして僕に出来る証拠集めはほぼほぼやり尽くしましたが、唯一見れていないものがあります。
それは...
個人情報の塊である、
携帯電話です。
実は以前、妻の入浴中に携帯電話を見てみたことはありました。
ですが、当然ながらロックがかかっているため、メールやラインなどを確認することはできずにいました。
もし不倫相手とのラインのやり取りが見れたとしたら、これはもう確たる証拠となるでしょう。
ですが前述の通り、セキュリティを突破出来ず断念していたのでした。
ですが僕は、日記帳にある日付が何かヒントになるのではないかと思ったのです。
女性は記念日が好きなものですよね。
不倫相手との記念日、または誕生日などを指定しているのではないかと思ったのです。
当時の妻の携帯電話のロックは4桁、日付も4桁で表すことができます。
夫婦とはいえ、個人の携帯電話を覗き見るということには当然後ろめたさ、罪悪感が伴います。
ですが、度々言いますが僕は心を鬼にすると決めたのです。
後で露見して妻に蔑まれようとなんだろうと構いません。
子供たちを守るためにするべきことをするだけです。
僕は自分にそう言い聞かせ、妻が入浴する時間を待つことにしたのです。