体調が悪くベッドに横になり、時折嘔吐している僕でしたが、そのうちに妻が帰宅してきました。
車とか普段会社に履いていく靴などがあったため、妻は僕がいる事にすぐ気づいたようで寝室に入ってきましたが、寝ている僕を冷たい目で一瞥し、すぐキッチンの方に行きました。
家事を行なっているらしく、洗い物の音が聞こえます。
そしてしばらくするとまた僕に吐き気が襲ってきました。
トイレに駆け込み嘔吐します。
本当に苦しい。胃の中が空っぽなのに、何度も何度も嘔吐するんです。
すると異変を感じた妻が何事かと向かってきました。
さすがに心配してくれるのかと思いきや、妻は吐き捨てるように
『きったないなー。自分で掃除してよ』
と言ってきました。
また、『何で仕事せずに帰ってんの?あんたは稼いでくるのが仕事だろ』
とも言ってきました。
僕は何も言い返す気力がなく、絞り出すような声で、
『ちょっと体調が悪いんだ。だから早退させてもらって寝てる』と言うと
妻は『使えんわー』と言い、どこかへ出かけて行きました。
僕はベッドに戻り、また寝ようとしましたが悔しくて眠れません。
横になって先程の会話を思い出していると、妻への憎しみが湧いてきました。
復讐心が心の中で増大していくのが自分で分かります。
絶対にただで済まさない。
必ず後悔させてやると。
すると、30分ほどして玄関の開く音がしました。
トコトコと足音がします。
すぐに分かりました。
妻と共に娘たちが帰ってきたのです。
『パパー?』と言いながら僕の事を探しています。
か細い声で返事をすると寝室に来てくれました。
こればかりは嬉しくてたまりません。
本当に子供たちは天使のように可愛い。
絶対に守り抜かなければならない存在です。
子供たちの頭を撫で、具合が悪い事を伝えると、二人はリビングに行きました。
娘たちのおかげで少し冷静さを取り戻せました。
そして少しホッとした僕はいつの間にかまた眠りに落ちていたのです。
続く。
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