不倫の証拠集めを始める事にした僕でしたが、表向きは普段と変わらない態度を貫く必要がありました。
ですので僕は常に平静を装い、妻への奉仕の心を態度で表すことも忘れませんでした。
妻が飲み会に行くといっても咎めるような事はせずに行かせるようにしていました。
むしろそうやって泳がせれば証拠も集めやすくなると踏んだからです。
しかし意に反して新たな証拠は見つからず、遅々として進みません。
そんな中、妻はだんだん僕に辛く当たるようになりました。
ある日の会社帰りでした。
僕はみんなが喜ぶだろうと、ケーキ屋に寄って4人分(僕、妻、子供2人)のショートケーキを買って帰ったんです。
すると妻は、
『あ、ケーキ?じゃあさ、うちの実家のみんなのも買ってきてくれる?あと3つでいいから。』
あと3つ?妻の実家は近所なので、その分も買ってくるのは別にいいのですが、妻の実家に住んでいるのは、妻の両親と祖父母の4人です。
僕は意味がよく分からないまま3つのケーキを買い足してきました。
僕は帰宅して妻にケーキを手渡しました。
すると、妻は実家に4つのケーキを渡しに行き、残り3つを妻と子供で食べると言い出したのです。
妻は僕の分など勘定に入れていませんでした。
露骨な嫌がらせにかなりヘコみました。
美味しそうにケーキを食べる子供たちの顔を見ると、悲しくて泣きそうになります。
『パパ、私のケーキちょっと食べるー?』
上の子が聞いてくれました。
すると妻がすかさず言います。
『パパは要らないって。早く食べちゃいなさい』
理不尽な扱いに対し怒りを覚えます。
ですが僕は努めて冷静になって笑顔を作り、
『パパおなかいっぱいなんだよー。ありがとうね☺️』と言いました。
妻に対しては心中穏やかではありませんが、子供の優しさには癒されました。
この子供たちのためにも妻の仕打ちに耐え続け、なんとしても不倫男を撃退すると心に誓ったのです。